銀座英國屋が新たなフラッグシップをオープン
2026年5月13日、東京都銀座に2.5億円を投じた新しいフラッグシップストア「東京銀座店」がオープンします。86年の歴史を持つオーダースーツの老舗「銀座英國屋」の新しい店舗は、今までの店舗を集約した大型店で、最新の接客サービスと品質を提供することを目指しています。
銀座英國屋が選んだ「逆張り経営」
日本全体で人口減少や市場の成熟化が進む中、多くの企業は「売上を伸ばす」ことに苦心しています。そんな中、銀座英國屋は逆に「店舗数を減らしながら売上を伸ばす」という大胆な戦略を打ち出しました。これにより、2019年度には11店舗で売上14.2億円だったのが、2025年度には4店舗で14.6億円を見込んでいます。このような成長の背景には「縮小して成長する経営モデル」があります。店舗の削減による効率化のみならず、経営理念そのものを見直すことで、品質や人材育成により多くの資源を集中できる体制を整えました。
縮小と成長
店舗の統廃合によって、銀座英國屋はもはや単に店舗数を増やすことが成長とは限らないと考えるようになりました。固定費が削減され、売上目標に縛られずに人材育成や品質の向上に資源を投下することが可能になったのです。これにより顧客に対するサービスの質も向上し、長期的な価値創造に集中できる環境が整いました。
構造で支える組織
新たな東京銀座店には「1on1専用ルーム」が設置され、上司と部下との間での対話が容易になります。この取り組みは正常なコミュニケーションを促進し、社員がより働き甲斐のある環境を提供します。また、厳選された人材を採用することにより、入社後の早期離職を避け、3年未満の離職率がゼロという実績も生んでいます。これらの施策は「人を大切にする」という経営理念を具現化したものです。
あえて成長しない戦略
銀座英國屋の戦略は、売上拡大を目的にしないあえての「量の成長」を選ばないことです。年間生産数を3,500着に設定し、それ以上の需要があればウェイティングリストを設置することで、供給を 控えめにしています。これにより品質が保たれ、長期的なブランド価値の最大化を図っています。過剰な受注が職人にかかる負担を軽減し、結果として顧客単価とリピート率を向上させる持続可能なビジネスモデルです。
大型フラッグシップ「東京銀座店」
東京銀座店は、これまで銀座・虎ノ門エリアに存在していた3つの拠点を統合した店舗で、顧客体験および組織基盤強化の両立を実現するための設計がされています。
店舗は5階、6階の2フロアで高級感あふれる落ち着いた雰囲気が漂います。生地見本の展示や無料オーダー体験も行われ、新たに設置されたフォトスペースでは仕立てたスーツを受け取る瞬間を記念化することができます。さらに、接客機能とバックヤード機能が明確に分かれている点も特徴的です。
営業情報
東京銀座店の住所は東京都中央区銀座5ー8ー15 清和銀座ビル5F・6Fで、営業時間は10:00-18:30です。従来の店舗は2026年7月までに閉店し、全ての機能をこの新しい店舗へ統合します。日本のオーダースーツ業界に新たな風を吹き込む銀座英國屋の挑戦から目が離せません。これからの経営モデルを示す銀座英國屋に、ぜひご注目ください。