マンダムの革新研究が導く、TRPチャネルの新たな可能性と肌への影響
株式会社マンダムは、肌の感覚反応を支える「TRPチャネル」の研究に取り組んできました。近年の研究によって、この感覚センサーの特性が温度やpHの影響を強く受けることがわかり、それが化粧品の開発において新たな知見をもたらすことが期待されています。
TRPチャネルとは?
TRPチャネル(Transient Receptor Potential チャネル)は、細胞が温度や化学物質の変化を感知するための重要な受容体です。特に、肌の感覚や汗腺の活動に深く関与しており、これまでの研究からも多岐にわたる役割が知られています。1997年に初めてカプサイシン(唐辛子の成分)に反応するTRPV1が発見されて以来、その他のTRPチャネルも次々と明らかにされてきました。
マンダムの研究成果と発見
マンダムは2005年からTRPチャネル研究を推進しており、最近発表された成果は、国際的な化粧品技術者の大会「IFSCC Congress」にて紹介されました。研究グループは特に、皮膚に存在するさまざまな細胞におけるTRPチャネルの発現パターンを探求しました。これにより、発汗に関わる細胞や免疫細胞との関係も明確になりました。
発見の中で特に注目すべきは、TRPチャネルがポリモーダル受容体として機能し、温度やpHに敏感であることです。たとえば、TRPV4というチャネルは汗腺において重要な役割を果たし、汗の生成に関与しています。また、冷感を感じるTRPM8はアルカリ性環境で活性化され、メントールによる冷感効果が増強されることが明らかになりました。
温度とpHがTRPチャネルに与える影響
マンダムの研究によると、TRPチャネルの活性は温度やpHの影響を受けることが判明しました。温度が高くなるとアルカリ性環境において活性が上がる傾向がありましたが、少なくともTRPV1は温度が高いとpHの影響をあまり受けないこともわかりました。この情報は、化粧品の設計において非常に重要です。なぜなら、使用環境におけるさまざまな要因が肌に同時に作用するからです。
今後の展望
マンダムは、TRPチャネルの研究を今後も深化させ、化粧品の開発において新たな価値を提供することを目指しています。TRPチャネルがどのように環境要因に反応するかを理解することは、快適性や効果を向上させるための重要なステップです。さらなる研究を通じて、肌が直面するさまざまな環境の影響を解明し、より効果的な製品開発に繋げていくでしょう。
現在、TRPチャネルに関するマンダムの研究成果は、ヘアケア、ボディケア、スキンケア分野でも幅広く応用されており、今後も革新的な商品を創出し続けていくことが期待されます。