敏感肌のセラミド研究が示した新たな知見とスキンケアの可能性

敏感肌のセラミド研究が示した新たな知見

近年、敏感肌の環境やケア方法が注目されています。その中でも、皮膚バリア機能の低下が敏感肌における主要な要因の一つとして指摘されています。花王株式会社のスキンケア研究所が、帝京科学大学と共同で行った研究では、敏感肌の特性に関連するセラミドプロファイルの変化が明らかになりました。この研究成果は、2025年に学術誌『Journal of Cosmetic Dermatology』に掲載される予定です。この研究は、敏感肌を持つ人々にとって重要な意味を持ちます。

セラミドとは？

皮膚におけるセラミドは、角層の細胞間に位置し、保湿やバリア機能に欠かせない脂質の一種です。セラミドにはいくつかの種類が存在し、それらのバランスが皮膚の健康を左右します。最近の研究では、敏感肌では特定のセラミドが不足していることが示され、これは皮膚バリアが弱まる原因の一つと考えられています。

敏感肌の特徴

敏感肌は、通常では問題ない刺激に対しても痛みやかゆみといった不快感を感じやすい状態です。花王の研究によれば、皮膚疾患がなくても刺激に対する感受性が高い敏感肌では、アトピー性皮膚炎に似たセラミドプロファイルを持つことが明らかになりました。特に、敏感肌ではセラミドの一種であるセラミドNPとセラミドNSの比率が偏っており、これは皮膚のバリア構造に影響を及ぼしていると考えられます。

研究の結果

新たな研究から得られたデータは、敏感肌と通常の肌の大きな違いを示しています。まず、敏感肌は角層細胞間脂質の構造に変化が生じており、脂質の密度が低くなっていることが分かりました。これにより、セラミドのバランスが崩れ、皮膚バリア機能の低下が引き起こされるとされます。具体的には、特定の種類のセラミドが不足することで、皮膚の保護機能が弱まり、余計な刺激を受けやすくなるという仕組みです。