ケンミン食品、新製造ラインを新設
ケンミン食品株式会社は、冷凍ビーフンやはるさめの製造ラインを新たに設置し、製品供給体制を強化することを発表しました。この新しいラインは、同社の冷凍食品の基幹製造ラインとして位置付けられ、既存のラインと比較して約1.3倍の生産量を実現することを目指しています。
冷凍食品市場の拡大
近年、コロナ禍によって冷凍食品市場は急速に成長しており、特に冷凍めんカテゴリーも同様に需要が高まっています。2024年には前年比約103%の成長が予想されていますが、ケンミン食品の冷凍ビーフン・はるさめはそれを大きく上回る約109%の販売増を記録しました。これにより、同社の冷凍食品部門は売上の約40%を占め、業務用販売も好調です。
特に1986年に誕生した冷凍「焼ビーフン」は、電子レンジで簡単に調理できる手軽さが人気を集めており、主力商品として多くの顧客から支持されています。新設された製造ラインでは、この人気商品の生産量をさらに増やす予定です。
機能的な新製造ライン
新製造ラインは、篠山工場敷地内の既存の倉庫を改築したもので、以下の特長があります。
1. 効率化
新しい設備により、麺や具材、調味液の調理・計量を全自動で行う仕組みが整っています。また、フリーザーの冷凍能力を向上させることで、凍結時間の短縮も実現しました。
2. おいしさの向上
調理工程における時間や温度、タイミングなどを自動制御することで、品質の安定を図ります。複雑な調理工程も可能となり、さらなる味のこだわりを実現しています。
3. 人的リソースの省力化
これまでは手作業で行っていた炒めや混ぜる作業をできる限り自動化し、包装工程も自動化されたことで、効率的な生産が可能になりました。これにより、生産現場の人的負担を軽減し、信頼性の高い製品を提供することが期待されています。
新ラインの概要
この新製造ラインは、2025年3月末に竣工し、6月1日より稼働を開始する予定です。投資額は約22億円で、初回の生産には9種類の製品が計画されています。篠山工場全体では、約70品目の冷凍食品を手掛けています。
まとめ
ケンミン食品は、日本国内におけるビーフン市場の約50%のシェアを誇る企業であり、創業以来、市場のニーズに応える商品開発を行ってきました。新製造ラインの設置を通じて、さらなる需要増加へ対応し、品質の向上を目指していく姿勢は、今後の市場の発展においても重要な役割を果たすことでしょう。これからも注目の企業として、その動向を見守りたいと思います。