2026年春夏ファッション、ニューヨークとロンドンで見る最新トレンド

2026年春夏のファッションウイークの動向

2026年の春夏シーズン、ニューヨークとロンドンで行われたファッションウイークは、特に若い世代の消費者の心を掴む新しいトレンドが顕著でした。これまでの華やかさを追求するスタイルから、日常の中に自分らしさを見つける方向へと変化しています。この潮流を象徴するのが、新生「ディオール（DIOR）」のクリエイティブディレクター、ジョナサン・アンダーソンによるコレクションです。

ニューヨーク：レトロ＆クラフトが台頭

ニューヨークのファッションウイークでは、特にZ世代をターゲットにしたブランドが印象的でした。彼らはファッションを単なる服装の選択としてだけでなく、自分自身のストーリーを語る手段として捉えています。そのため、レトロなデザインや手仕事の技術を取り入れたアイテムが人気を集めています。有名なブランド「コーチ（COACH）」や「カルバン・クラインコレクション（CALVIN KLEIN COLLECTION）」のルックは、まさにその象徴です。

レトロ調のデザインに現代的なひねりを加え、さまざまな文化的背景の伝統技術を洗練されたルックへと昇華させています。ニューヨークは多様性の都市であるため、各ブランドが自身のルーツを活かしたコレクションを発表し、観客の共感を呼びました。

さらに、注目すべきは「プロエンザスクーラー（PROENZA SCHOULER）」や「3.1 フィリップリム（3.1 PHILLIP LIM）」などのブランドの新しいデザイナーによるコレクションです。これらのブランドは新たな方向性を模索し、期待されるコレクションが注目されています。

ロンドン：新たな局面を迎える

一方、ロンドン・ファッション・ウィークは、体制が刷新されたことにより新たな局面を迎えています。英国ファッション評議会が新CEOラニ・ウィヤー氏のもとで、参加費の撤廃や国際的な広がりを強化するための施策を進めた結果、参加ブランド数が増加することが予想されています。

「バーバリー（BURBERRY）」は、1960年代の音楽シーンからインスパイアを受け、クラフト感とエネルギーを融合させたコレクションを発表しました。これは、英国特有の強さを保ちながらも新しい価値観を提示する試みです。また、若手ブランド「ハリスリード（HARRIS REED）」や「ディーラー・ファインディコグループ」などの動向も見逃せません。

ビューティートレンドも注目

特集以外では、連載「ビューティー賢者が持論展開」も注目されています。アイスタイルの「BeautyTech.jp」編集長、矢野貴久子氏がJビューティの未来について語る内容は特に興味深いです。彼女は、今後10年で日本のビューティ業界が世界での存在感を強めるための道筋を示しています。

全体として、2026年春夏のファッションウイークは、レトロとクラフトというテーマが強調され、文化的な多様性と自己表現が重要なポイントとなったことが注目されます。過去の要素を取り入れながらも、新しい風を吹き込むこれらのトレンドは、今後のファッションシーンに大きな影響を与えることでしょう。