COP30で注目されたサステナブル農業の新たな挑戦とは
2025年11月に開催された第30回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP30)において、株式会社フルッタフルッタの代表である長澤誠氏が登壇し、アグロフォレストリーの重要性とその未来について熱く語りました。イベントはブラジルのパラ州ベレンで行われ、アジアを代表する企業としての自負を持ち、持続可能な農業の実践例を数多く紹介しました。
活動概要
フルッタフルッタは複数のサイドイベントを通じて、持続可能な農業をテーマにした議論を深めました。
1.
JICA主催のセミナーでは、アマゾン地域でのアグロフォレストリーの実践例として「SAFTA(トメアス式アグロフォレストリーシステム)」を取り上げ、「SAFTA商品の付加価値向上の取り組み~サステナブルプラットフォーム~」を発表。新たな販路の可能性を探ります。
2.
環境省主催のセミナー(1)では、気候変動、生物多様性の損失、そして汚染という地球的危機に立ち向かうビジネスの役割について語ります。特にアグロフォレストリーが持つシナジー解決策としての役割について紹介されました。
3.
環境省主催のセミナー(2)では、ブラジルと日本における農林分野及びブルーカーボンの取り組み事例を通じて、長澤氏が気候変動対策の推進に関する具体例としてアグロフォレストリーを再度取り上げます。
4.
バーチャル展示も行い、「森をつくる農業」としてのアグロフォレストリーの発展に寄与する取り組みを紹介しました。
SCOPE 3 Neoの紹介
フルッタフルッタが開発したサステナブルプラットフォーム「SCOPE 3 Neo」は、持続可能な農法を実践する生産者とその材料を求めるメーカーをマッチングする仕組みです。これにより、サステナブルな原料が手に入ることから企業は環境への配慮が行いやすくなります。具体的な例として、アグロフォレストリー栽培によるCO2吸収量を原料に紐づけ、企業がその削減量をScope3として利用できるメリットを提供。
アグロフォレストリーとは
アグロフォレストリーは、農作物と樹木を同時に栽培する独特な農法で、環境保全に寄与しつつ地域経済にも貢献できる手法です。フルッタフルッタのサプライヤーであるCAMTA農協の取り組みは特に注目されています。地元の果物や木を使った栽培を行い、土壌の回復とも密接に関連しています。
温室効果ガスの削減効果
アグロフォレストリーは、温室効果ガスであるCO2を効果的に吸収し、持続可能な農業モデルとして世界中から注目されています。伐採された土地を再生し、持続的に収穫を得ながらCO2を固定・吸収できる独自の方法は、経済活動と森林保全を両立させる貴重なモデルです。
日系農協CAMTAの歴史
ブラジルのアマゾンに設立されたCAMTAは、地域の特性を生かした農業の在り方を示しています。アグロフォレストリーへの転換もその一環で、現在はジュース工場も運営しながらアマゾンフルーツの生産を行っています。
フルッタフルッタの今後
株式会社フルッタフルッタは、持続可能な社会の実現に向けて、引き続きアグロフォレストリーの発展を支援し、環境と経済が共存するビジネスモデルを推進していくことを目指しています。