ファッション業界を志す学生の新たな就業ニーズとは?
ファッション業界を目指す学生の就業意識について、株式会社iDA(アイ・ディ・エー)が実施した調査結果が注目を集めています。この調査は、2024年10月21日から2025年1月14日までの期間に、ファッション業界への就職を希望する519名の大学や専門学校の学生を対象に実施されました。そしてその結果、学生たちが企業選びの際に重視するポイントや傾向が明らかになりました。
転勤なしが最も重視される
調査の結果、学生が企業選択時に最も重要視しているのは「転勤がないこと」であることが判明しました。続いて「福利厚生」や「給与の高さ」が順位を上げました。この傾向は、経済の不透明感や、将来の生活の安定を求める意識が影響していると考えられています。特に、結婚を視野に入れる際には共働きの必要性が高まるため、転勤の無い職場を求める声が高まっています。
インクルージョンへの関心
さらに、企業を選ぶ際に「インクルージョン」、つまり全ての社員が平等に扱われる環境についても多くの学生が関心を持っています。サステナビリティや社会的配慮の観点から見て、企業がどのような取り組みを行っているかも重要な判断基準となっています。こちらの調査では、環境への取り組みや環境に優しい製品の提供も重視されており、ダイバーシティの観点からの意見も上がっていました。
就業環境に対する不安
ファッション業界を志望する学生が感じる不安要素としては、やはり「給料が低そう」といった声が多く聞かれました。特に「ノルマの厳しさ」や「残業の多さ」も懸念されています。これらの要素がファッション業界から他の業種へと流れる原因の一つになっていると考えられます。
調査の結果から見える未来
これらの調査結果は、ファッション業界だけでなく全体の労働市場においても大きな影響を与えかねません。労働条件や環境を改善しない限り、優秀な人材の確保が難しくなる事態も考えられます。企業は他業界の採用基準や条件を意識的に見直し、求職者のニーズに応える必要があります。
今後の展望
ファッション業界の未来を耕すために、iDAは教育機関と連携しながら、人材育成に注力しています。学生の志向や関心を的確に把握し、企業の採用活動や教育現場にフィードバックを行うことで、持続可能な人材循環を築いていくことが求められます。この調査は、業界に対しての新たな視点を提供するものであり、業界の方々とのいい議論が生まれる契機となることが期待されます。
ファッション業界は現在、変革の時期にあります。これからの業界の姿を共に考えていくことが求められるでしょう。企業や教育機関、個々の学生が一丸となってこの業界をより良いものにしていくために、協力を深めていく必要があります。