MUSINSAが日本市場で成長を続ける理由とO2O施策の成果

韓国発のファッションプラットフォーム『MUSINSA（ムシンサ）』が、日本地域において取引額を前年同月比約5倍に増加させたことを発表しました。これは、同社が掲げるO2O（Online to Offline）戦略によるもので、リアルとデジタルの融合が消費者に新たな購買体験を提供しています。

ポップアップの成功

2025年10月3日から26日まで、東京・渋谷で開催された『MUSINSA TOKYO POP-UP STORE 2025』には、約8.2万人が来場しました。この期間に80以上の韓国のデザイナーズブランドが参加し、来場者はリアルな試着体験やメーカーのストーリーを通じてブランドを深く理解する機会を得ました。また、ポップアップストアには、OTTO（Online to Offline）の仕組みが導入され、会場からオンラインストアへの直接的なアクセスが実現。

このO2O戦略によって、来場者は試着したアイテムをその場でオンラインで確認し、購入へとスムーズに進むことができました。アナリストによると、O2O施策は消費者行動に大きく影響を与え、実際の販売成績も大きく上昇。ポップアップ期間中の参加ブランドの取引額は前月比で3.5倍以上の成長を記録しました。

海外市場への展開

MUSINSAは、日本市場向けにローカライズした戦略を展開しており、最新のKカルチャーをリアルに体感できる機会を提供。特に、日本ではオフライン購入の需要が高く、MUSINSAのポップアップは、韓国ファッションブランドへの親近感を高める結果となりました。日本に初めて紹介された13ブランドは、驚異的な244%の成長を見せ、特にウィメンズブランド『ASON』は、カジュアルでありながら豊かな表現力を持つスタイルが評価されました。

O2O戦略の利点

MUSINSAのO2O戦略は、オフラインでの体験をオンラインでの購入にスムーズに結びつける仕組みを具現化したものです。会場内のQRコードをスキャンすることで、商品情報をオンライン上で確認したり、試着予約が可能になるため、消費者にとって非常に便利です。さらに、初めてブランドに触れる人でも安心して比較検討ができるよう、日本語と英語で約2,800件の商品レビューが提供されています。

このO2O戦略により、来場者の約64%がアプリを利用し、日本における新規会員数は前月比で2.7倍に増加しました。これに伴い、MUSINSA Global Storeの月間アクティブユーザーは500万人を突破し、韓国ブランドへの関心が一過性のトレンドではなく、持続的な購買行動に変わりつつあることを示しています。

今後の展望

MUSINSAは、今後も日本市場での成長を続けるため、ローカライズ施策をさらに強化していく予定です。2025年末には、新たなポップアップイベントも計画されており、年内にZOZOTOWN内の『MUSINSA SHOP』で取り扱いブランド数を1,500以上に拡大することを目指しています。ブランドごとの配送体験をよりスムーズにするための物流基盤も整備され、顧客が日常的に利用できる環境が構築されつつあります。

また、MUSINSAは一人ひとりのスタイルに寄り添った提案型の体験を目指し、消費者の好みに応じた商品キュレーションを行うことにも注力しています。