インクルーシブデザインを担当する若手デザイナー向けワークショップ開催

インクルーシブデザイン部門ワークショップの開催

東京で行われた「Next Fashion Designer of Tokyo 2026」（NFDT）における「インクルーシブデザイン部門」のワークショップが、9月24日（水）に開催されました。このワークショップは、障害のある方を含め、誰もが楽しめる服作りを目指すデザイナーたちに向けて行われました。

インクルーシブファッションの重要性

当日は、一次審査を通過した学生デザイナーが自らのデザイン画を持参し、実際にワークショップに参加。特別アドバイザーとして、障害者支援団体の代表者である上原大祐氏と加藤さくら氏が招かれ、専門家の視点からの助言が行われました。

上原氏は、「日本には障害当事者が不在のデザインがまだ多い。今日、参加者は障害当事者と一緒にデザインするという視点を考えてほしい」とコメント。彼はまた、インクルーシブデザインが全ての人々の困りごとを解決する手段であることを強調しました。加藤氏は、障害を持つ方を起点としたデザインが、障害がない方にも快適さを提供することを具体例を挙げて解説しました。

ユーザー視点のニーズを吸収

さらに、このワークショップでは障害当事者と直接意見交換を行い、学生たちはその貴重な声をデザインに活かす場が設けられました。

視覚に障害のある参加者からは、「触ってわかりやすいワンポイントがあると嬉しい」との要望が寄せられ、シンプルな選択からカラフルなものへの挑戦を希望する声もありました。また、車椅子ユーザーからは、袖の素材がもたらす実際の使用感についての意見があったなど、実際の経験に基づく声が集まりました。学生たちはこうしたリアルなニーズを真剣に受け止め、デザインの改善に向けて思考を深めている様子でした。

受講後の展望

得られた知見をもとに、参加した学生たちは今後の二次審査へ向け、自身の作品制作へと移行していきます。このワークショップを通じて、インクルーシブであることの重要性を改めて認識し、デザイン活動がより多様なニーズを反映することが期待されます。

NFDTとは?

「Next Fashion Designer of Tokyo」は、東京を国際的なファッションの中心地として位置づけるために立ち上げられたファッションコンクールです。参加者には世界で活躍するデザイナーの指導を受けられる機会が提供されており、クリエイティブな体験が得られます。今年度も多くのエントリーが集まり、最終的には選ばれた作品がパリファッションウィークで発表されるなど、国際的なステージでの活躍が期待されています。

このように、学生たちが実際のニーズを反映させたファッションデザインを通じて、社会全体にインクルーシブな意識を広めることが大いに期待される、非常に意義のあるワークショップとなりました。