日焼け止めの新技術で汗に強く、心地よい使い心地を実現
暑い夏が訪れると、紫外線対策が気になる女性たち。しかし、日焼け止めを塗っても、汗をかいたり水に濡れたりすることで、すぐに落ちてしまうという悩みは常に付きまといます。そこで、ポーラ化成工業株式会社が開発した新たな観察技術に注目です。これは、日焼け止めが皮膚から剥がれる様子を可視化することに成功し、今後の製品開発に革新をもたらすことが期待されています。
日焼け止めのトレードオフを解消
近年、猛暑や健康志向の高まりに伴い、日焼け止め市場は急成長を遂げています。しかし、消費者が求める“みずみずしい使い心地”と、“汗や水に耐える持続力”は、かつては両立が難しいとされてきました。ポーラ化成工業は、このトレードオフを根本から解決するために、日焼け止めが汗でどのように剥がれるのかを探求しました。
この研究によって、日焼け止め膜がどのように汗によって崩れ、そしてどのようにそれを改善できるのか、そのメカニズムを解明する道が開かれました。
OCT技術で日焼け止め膜を観察
ポーラ化成工業が注目したのは、OCT(Optical Coherence Tomography)という技術。これは、光の干渉を利用して、物質の内部や表面を高解像度で観察するためのものです。従来の評価法では、日焼け止めが剥がれる過程を確認することができなかったのですが、このOCT技術を用いることで、リアルタイムでの観察が可能になりました。
実験では、腕に日焼け止めを塗った後に運動し、汗をかいた状態でOCT技術を使って観察を行いました。その結果、汗の粒が膜に与える影響や膜の崩れ方、その仕組みが明らかになりました。特に、汗によって膜が浮き上がり、亀裂が生じる様子など、従来は見えなかった詳細が解析されました。
人工汗を使った新たな評価法
さらに、ポーラ化成工業は、人工汗を使った評価法も開発しました。この方法では、実際の試験参加者が運動をして汗をかくことなく、一定量の人工汗を使用して日焼け止め膜の変化を評価できるため、負担を減らし、より効率的に多くのサンプルを分析可能となります。実際の運動との相関性も確認されており、今後の研究も期待されています。
雑誌での発表
この研究の成果は、化粧品技術者協会の大会での発表でも高く評価され、話題を呼んでいます。今後、OCT技術を活用して、より心地よい使用感を持ち、汗に強い日焼け止め製剤の開発が進むことが期待され、人々の夏を快適にする一助となることでしょう。
まとめ
日焼け止めの使用感と持続性を向上させるための新しい技術が導入されることで、私たちの日常の紫外線対策がより効果的になります。ポーラ化成工業の独自の研究成果が、今後の製品にどのように影響を与えるのか、今後の展開から目が離せません。