2000年代ヒップホップを代表する名盤『Madvillainy』の深層に迫る新刊登場

2000年代ヒップホップの金字塔『Madvillainy』を再考する新刊

ヒップホップの歴史において、忘れがたい存在のアルバム『Madvillainy』。この2004年リリースの作品は、MFドゥームとマッドリブという二人の天才が生み出したもので、今なお多くのファンに愛され続けています。この名作を徹底的に分析した書籍が、ついに日本に上陸します。

唯一無二の作品への深い洞察

著者ウィル・ヘイグルによるこの書籍『マッドヴィランの嘘と真実MFドゥームとマッドリブのアンダーグラウンド・ヒップホップ伝説』は、日本初の試みとして『Madvillainy』を多面的に考察します。ヒップホップのサウンドとリリックの両方に焦点を当て、音楽的背景や当時の文化的コンテクストを探ることで、このアルバムの全貌に迫ります。

名盤が持つカルト的人気

『Madvillainy』は、先日米音楽メディア「ピッチフォーク」が発表した「オールタイム・ベスト・ラップ・アルバム100」で堂々の第10位に輝き、その影響力がいかに強いかを物語っています。リスナーからの支持を受け続けている理由を明らかにするために、著者はピーナッツ・バター・ウルフなどの当時の関係者へのインタビューを実施しました。

歌詞とビートの神秘

本書では、複雑で難解な歌詞の分析も行われており、MFドゥームのオルターエゴたちがどのように表現されているのかを紐解きます。また、古今東西のさまざまなサンプリングソースを組み合わせたマッドリブのビートがもたらす音楽的な相乗効果についても言及されており、アルバムがどのように完成されているのかを深く理解できる内容となっています。

特別コンテンツが充実

さらに、日本語版ならではの特別コンテンツも用意されています。ビートメイカーであり、本書の翻訳者でもある吉田雅史による希少な図表解説も収録されており、彼自身が解き明かす2万字超の詳細な解説は必見です。また、重要なアルバム20枚を網羅したディスクガイドも付属しており、MFドゥームとマッドリブそれぞれの世界観を探索できる内容になっています。