乳酸菌L.パラカゼイ KW3110が花粉症改善に寄与する可能性

乳酸菌L.パラカゼイ KW3110がもたらす花粉症緩和の可能性

花粉症に悩む皆さんに朗報です！キリンホールディングスのヘルスサイエンス研究所は、乳酸菌Lacticaseibacillus paracasei KW3110が軽症から中等症の花粉症の症状に対して、驚くべき効果をもたらすことを示しました。この研究では、春先の花粉飛散時期における症状の評価が行われ、鼻の不快感を和らげるだけでなく、外出時の支障を軽減するといった生活の質（QOL）の向上を実証したのです。

研究の背景

近年、日本では花粉症の有病率が増加し、約50%の人々が何らかのアレルギー疾患を抱えていると言われています。特にスギ花粉症はその影響力が大きく、「国民病」とも言われています。そのため、日常生活における不快感や集中力の低下が社会的課題として認識されています。アレルギーという免疫反応は、Th2型細胞が深く関与しており、その低下を促進することが求められています。

乳酸菌の可能性

キリンが発見した乳酸菌L.パラカゼイ KW3110は、特にアレルギー反応に対する免疫のバランスを整える効果が期待されています。これまでの研究からも、この乳酸菌が免疫細胞を活性化し、アレルギー症状を緩和する可能性があることが示唆されていました。

臨床試験の結果

120名の対象者を用いて実施された臨床試験では、12週間にわたり乳酸菌L.パラカゼイ KW3110を含有した食品を摂取するグループとプラセボ食品を摂取するグループによる比較が行われました。その結果、花粉の飛び始めの時期である摂取4週目に、鼻の自覚症状の改善が確認され、戶外活動への支障も有意に軽減されたことが分かりました。これは、眼鼻の症状と外出時の支障の両方が改善されたことを意味し、参加者の生活の質が大きく向上したことを示しています。

生活の質の向上に期待

今回の研究結果から、乳酸菌L.パラカゼイ KW3110が軽度から中等度の花粉症に悩む人々にとって、有効な食品の一つとなる可能性が示されました。これにより、従来の医療に頼ることなく、食品としての乳酸菌を取り入れることができ、安全で手軽な手段でアレルギー症状をコントロールできる時代が期待されます。研究に関わる岡本美孝氏は、今後さらなるメカニズムの解明と新たな臨床データの蓄積が進むことで、多様な症状の改善が期待できると述べています。