繊研合繊賞の魅力
2025-03-17 10:30:58

繊研合繊賞と天然繊維特別賞で輝いた革新素材の魅力とは

繊研合繊賞と天然繊維特別賞で輝いた革新素材の魅力



2023年3月6日、東京都中央区のロイヤルパークホテルにて「第55回繊研合繊賞」と「第11回繊研天然繊維特別賞」の授賞式が行われました。このイベントは繊維・ファッションビジネス業界の重要な行事で、約120名もの関係者が一堂に会しました。

繊研合繊賞とは?



「繊研合繊賞」は1970年に設立され、日本の化合繊業界の発展を促進することを目的としています。また、2014年からは天然繊維の活動も評価する「繊研天然繊維特別賞」が設けられ、両賞は毎年外部専門家や記者による厳選な審査を経て授与されます。選考基準は「斬新さ」「話題性」「実績」の3つであり、選ばれた企業や素材は業界の新しい潮流を示す強力な象徴となります。

受賞素材の詳細



グランプリ:エコディアN510


今回は、ポータブルバッグブランド「ポーター」と共同開発した東レの「エコディアN510」がグランプリを受賞しました。この素材は100%植物由来のナイロンであり、環境に配慮したサステイナブルな選択肢です。特に、ポータリーの人気シリーズ「タンカー」のリニューアルに合わせて、両社の共創が話題となりました。サステイナブルな素材を用いることで、価格が旧シリーズの倍以上にもかかわらず、ヒット商品となりました。

マテリアル部門:シルック美來


東レの「シルック美來」はシルキーポリエステル素材の新たな集大成であり、60周年を祝う形で開発されました。独自の紡糸技術により、上品な光沢と摩擦特性を兼ね備えており、和装から洋装まで幅広い展開が期待されています。

テクニカル部門:CfCヤーン


東洋紡せんいの「CfCヤーン」は、炭素繊維と合繊を組み合わせた画期的な素材です。従来作れなかった複雑な形状を持つ製品への応用が可能であり、その技術は衣料分野を超えて新たな可能性を広げています。

サステイナブル部門の注目技術


この部門で受賞した「ネオクロマト加工」は、水を使わずに染色されたポリエステルの脱色を実現する革新的な技術です。繊維の資源循環を促進し、環境配慮型生産の新たな道を切り開く可能性が注目されています。

ニューフロンティア部門の成果


帝人の「テナックスTPCL」は、炭素繊維を用いた新素材で短時間で成形できる特性を持っています。この技術は、モバイルディスプレイなど身近な製品への応用が進んでいます。

特別賞とその業績


特別賞には、エランゲ、パタゴニア日本支社、豊田通商の協力による廃漁網リサイクルの取り組みが選ばれました。これにより、日本国内での漁網リサイクルの新たな在り方を示す事例が強調されています。

また、タキヒヨーの英式紡績機を用いた素材開発や、ナンガのダウン製品の進化も評価され、それぞれの独自性が主張されました。

まとめ


今年の繊研合繊賞は、記録的な猛暑の影響もあり、暑熱対策素材が多くノミネートされました。気候変動問題を意識した革新技術とサステイナブルな取り組みが、繊維業界の未来を明るく照らす鍵となるでしょう。これらの受賞企業と素材は、過去の成功に甘んじることなく、新たな価値を創造するために挑戦し続けることが期待されます。今後の繊維産業がどのように変化していくのか、目が離せません。


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