アンテナショップの利用実態: 観光や移住の拠点としての進化
最近、株式会社ブランド総合研究所が実施した「第8回アンテナショップ利用実態調査2025」の結果が発表されました。本調査では、東京都内に存在する34の道県のアンテナショップについて、利用状況が詳細に分析されています。
利用実態の概要
この調査は首都圏在住の男女20,000人を対象にインターネットで行われました。調査では、来店経験やリピート率、購入商品等の利用状況だけでなく、観光情報の獲得や飲食、さらにはECサイトの利用に至るまで多角的に分析されています。結果として、首都圏住民のアンテナショップ利用率は若干の減少が見られたものの、訪問回数やリピート率は増加し、各店舗の固定客化が進んでいることが明らかになりました。
固定客化と訪問回数の増加
調査によれば、東京都内で道県のアンテナショップを一年以内に訪れた人の割合は27.8%で、前年の31.0%から減少。しかし、週一回以上の訪問者数は増加しており、顧客の固定化が進んでいることが伺えます。特に、年間訪問頻度は5.31回に達し、これは前年よりも増加していることを示しています。とはいえ、全体の利用者数は前年よりも13.4%増加していることも注目すべきポイントです。
若年層の利用増加
年代別に見ると、特に20代の利用者が目立っています。20代の年間訪問回数は9.05回で、60代以上の4倍を超える結果です。また、20代の中で週1回以上訪問している人の割合は6.8%に達し、60代以上の1.1%と比べて圧倒的に高い数字を記録しました。このことから、アンテナショップは若い世代にとって魅力的なスポットとなっており、今後のマーケティングにおいて注力すべき市場であることが分かります。
観光情報の重要性
アンテナショップには、商品を購入するだけでなく、観光情報を得るための目的でも訪れる人が増えています。調査によると、17.0%の訪問者が観光パンフレットを取得し、11.2%が市町村の情報を得ています。これは、都市部で観光情報提供の窓口が減少する中、アンテナショップが貴重な情報源として機能していることを示しています。また、国内旅行者だけでなく、外国から訪れる観光客にも利用されていることが確認されています。
人気のアンテナショップ
調査によると、訪問率が最も高かったのは「北海道どさんこプラザ」で、来店率は9.50%でした。これまでの調査から連続して1位を獲得していますが、来店率は前回よりも減少しています。次いで「沖縄・銀座わしたショップ本店」が登場し、3位には宮城ふるさとプラザが位置していますが、同店は2024年に閉店予定です。
飲食施設の利用増
アンテナショップに併設された飲食施設の利用率も上昇しています。過去1年に1つ以上の飲食施設を利用した人の割合は16.31%で、前年の15.25%から増加しました。特に、北海道の飲食施設は人気が高く、来店者にはソフトクリームのイートインが評価されています。
総括
今回の調査結果から、アンテナショップはただの物販の場にとどまらず、観光や移住の重要な拠点として進化し続けていることが明らかになりました。さらに、若年層の固定客化が進んでいることもお伝え終え、今後の動向がますます楽しみです。地域の魅力を発信し、固定客を増やすための取り組みに期待したいですね。