大仙市がSDGsに取り組む新たなフードシェアリングサービス「タベスケ」導入

大仙市が進める食品ロス削減の新たな取り組み

秋田県大仙市は、2023年9月1日から株式会社G-Placeが開発したフードシェアリングサービス「タベスケ」を開始しました。この新しいサービスは、食品ロス削減を目指した取り組みであり、市民や事業者が連携して持続可能な社会の構築を目指しています。

「タベスケ」とは？

タベスケは、「あなたの“お得”が地球環境を助けます。」というコンセプトのもと、食品ロスの削減を目指すサービスです。食品業界の飲食店や食料品店が、まだ食べられるのに廃棄される可能性のある食品を安く提供し、それを市民が購入できる仕組みとなっています。2021年3月にウェブサービスとしてスタートし、2024年にはアプリ版も予定されているこのサービスは、現在28の自治体で利用されています。登録ユーザーは10万人を超え、協力店舗も826店舗に達しており、食品ロス削減実績は42.4トンにもなります。

購入者は、欲しい商品を予約し、店舗で商品の代金を支払うことで利益を得ることができ、この仕組みは地方自治体によって提供されます。また、このサービスは市内に住んでいない人でも無料で利用可能であり、参加する飲食店や食料品店も無料でサービスを使用できます。これにより、地域の小・中規模店舗も気軽に参加しやすい環境が整っています。

大仙市における期待される効果

大仙市では、2022年に「ゼロカーボンシティ宣言」を行い、2050年までにカーボンニュートラルを達成しようとしています。その一環として、食品ロスに関する取り組みが進められており、「食べきり協力店事業」や宴会時の「3010運動」が行われています。しかし、より市民と事業者が協力して参加できる取り組みが必要とされ、タベスケの導入が決まりました。

このサービスを通じて、以下の三つの効果が期待されています。第一に、食品ロス削減の意識を高めること。第二に、市民の経済的負担を軽減すること。最後に、事業者における廃棄コスト削減を実現することです。これによって地域が活性化され、さらに持続可能な地域社会を築く貢献も期待されています。

世界での食品ロス問題

食品ロスの問題は、日本国内だけでなく国際的にも大きな課題です。国連の持続可能な開発目標（SDGs）では、食料廃棄の削減が重要な柱の一つとして位置付けられています。特に、日本では2019年に「食品ロスの削減に関する法律」が施行され、家庭や事業所の食品ロスを2030年までに半減することが目指されています。

実際、日本の年間食品ロス量は464万トンに達し、これは国際連合世界食糧計画による食料支援量370万トンを上回る数字です。加えて、日本の食料自給率は38％と低く、輸入に依存している中で大量の食品ロスが発生しています。国際的な視点から見ても、食品ロスの削減は持続可能な社会の構築に向けた緊急の課題なのです。

G-PlaceのSDGsへの取り組み

株式会社G-Placeは、持続可能な社会の実現をテーマに掲げ、特に「ごみを出さない社会」としての目標を持っています。この目標達成の一環として、タベスケを始めとするフードシェアリングサービスが利用拡大に向けて取り組まれています。社会貢献を念頭に置いたサービスを提供し、環境問題への貢献を目指して今後も活動を続けていく方針です。