ボウイの遺志を感じて
2025-05-16 15:17:29

デヴィッド・ボウイのミュージカル『LAZARUS』日本初演記念楽曲鑑賞会の魅力

デヴィッド・ボウイのミュージカル『LAZARUS』日本初演と楽曲鑑賞会



デヴィッド・ボウイといえば、1970年代から現代に至るまでファッションやアートに多大な影響を与えた伝説的なロックスター。その最後のアルバム『★(ブラックスター)』発表とともに制作されたミュージカル『LAZARUS』が、ついに日本で初演されることとなりました。大きな注目を集めるこの作品は、5月31日から神奈川県のKAAT神奈川芸術劇場で上演されます。

ミュージカル『LAZARUS』は、ボウイと現代演劇の名匠、エンダ・ウォルシュによって共同で脚本が書かれました。本作は、1976年のボウイ主演の映画『地球に落ちて来た男』に着想を得ており、主人公のトーマス・ニュートンが宇宙から地球に降り立つ様を描いています。彼が酒に溺れ、失った故郷を取り戻せなくなったその後の物語が展開され、出会った謎の少女と共に自己の運命を模索していく様子が描かれます。

日本版の演出は、ウォルシュ作品の翻訳上演を多く手掛けてきた白井晃が担当。主役のニュートン役には、ボウイに憧れを抱くロックスターの松岡充さん、神秘的な少女役には豊原江理佳さんが選ばれました。劇中にはボウイ自身が書き下ろした楽曲や彼の名曲が全17曲も織り込まれ、特に英語での歌唱はボウイの遺志を尊重した演出として注目されています。

日本初演を前に、5月14日に東京・ミッドタウン八重洲の「STUDIO」で開催された「デヴィッド・ボウイ『楽曲鑑賞会』スーパー・オーディオ・ライブ」は、多くのファンにとって特別なイベントでした。著名な音楽評論家の立川直樹氏による解説のもと、アイコニックなボウイの楽曲が最高級のオーディオシステムで楽しめるという贅沢なひとときが提供され、参加者たちはその音楽の深さに触れることができました。

立川氏は、「『Lazarus』は音楽劇もしくはミュージカルというより、もっと深い意味が込められた作品です。ボウイが如何に偉大だったのかを、ぜひ音楽を通して感じてほしい」と言い、挨拶を始めました。最初にかけられた曲はミュージカルのタイトルとなっている「Lazarus」で、ボウイがどのような世界観でこの楽曲を作り上げていったのかを観客と打ち明けました。

次に流れたのは1969年の名曲「Space Oddity」。宇宙をテーマにしたこの曲は、ボウイのクリエイティビティの高さを象徴するもので、その背後には当時の時代背景が影響を与えていたことが説明されました。続いて紹介されたのは、ボウイの名作『ジギー・スターダスト』。彼が一大ブームを巻き起こしたこのアルバムは、ロックンローラーの新たなアイコンを表現するものであり、その影響力を振り返っても驚かされます。

立川氏はまた、ボウイが“引退”を発表した直後に新アルバム『アラジン・セイン』をリリースした事実を挙げ、ボウイの次々と革新的な作品を生み出す姿勢に言及しました。ボウイの音楽は、ジャンルを問わない普遍的な魅力を持ち、その影響力は未だに色褪せることがありません。

ミュージカル『LAZARUS』日本初演まで、残り約2週間。ボウイの描いた物語とその音楽の深淵を体感する絶好の機会が待っています。サブタイトルにもなっている「Lazarus」を初めとした数多くの名曲が、様々な感情やストーリーを紡ぎ出すこの舞台を、ぜひあなたも見逃さないでください。

公演情報


  • - 公演名: ミュージカル『LAZARUS』
  • - 音楽・脚本: デヴィッド・ボウイ
  • - 演出: 白井 晃
  • - 出演者: 松岡 充, 豊原江理佳 ほか

公演は2025年5月31日から6月14日までKAAT神奈川芸術劇場で、続いて大阪公演も予定されています。詳細は公式サイトにてご確認ください。ボウイの音楽劇『LAZARUS』の世界を、ぜひあなた自身で味わってみてください。


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