ゼリー飲料が運動時の心理的安定をサポートする可能性の研究

ゼリー飲料が運動時の心理的安定をサポートする可能性

近年、手軽に栄養を摂取できる食品として人気を集めているゼリー飲料。新たな研究結果によると、ゼリー飲料は運動時の心理的安定感と快適さを向上させる可能性があることが示されています。この研究は東洋大学との共同によるもので、2025年に開催予定の生体医工学シンポジウムで発表されました。

研究の背景

ゼリー飲料は特有の食感を持ち、飲みやすさから多くの人に親しまれていますが、運動中の心理状態への影響に関してはあまり研究が進んでいませんでした。この研究では、ゼリー飲料と何も加えないジュース飲料とを比較し、運動負荷をかけた際の主観的評価にどのような違いが見られるのかを調査しました。

研究手法

研究は主に、運動習慣のある若い男性7名を対象に行われ、ゼリー飲料とジュース飲料の摂取後に運動を行いました。心理状態の測定には「二次元気分尺度測定法」（TDMS-ST）が用いられ、参加者の活性度、安定度、快適度を数値化しました。主観評価は、運動前後に行われ、具体的には運動を行う前と後の段階で測定されました。

研究結果と考察

研究の結果、ゼリー飲料を摂取した場合、運動中の安定度が顕著に高いことが確認されました。特に、運動開始から約7.5分後の評価では、ゼリー飲料摂取時の安定度が強く高い値を示し、快適度においてもゼリー飲料はジュースに比べ高得点でした。これらの結果は、有意な差が認められ、ゼリー飲料が運動時の心理的安定性に良い影響を与えることを示唆しています。

一方で、活性度に関しては両者の間に有意な差は見られませんでした。このことから、ゼリー飲料は主に心理的安定性や快適度を高める役割があるのかもしれません。

今後は研究対象者を増やし、運動強度の違いや生理的な計測との関連も探っていく予定です。この発見が、運動時のパフォーマンス向上やウェルネスに対する新しいアプローチとなることが期待されます。

専門家の見解

研究チームの鈴木教授は、ゼリー飲料が栄養補給だけでなく、心理状態にも良い影響を与える可能性を示す重要な研究だと評価しています。アスリートや日常的に運動を行う人々に向けた新たな栄養戦略として、ゼリー飲料がスポーツニュートリションの分野において注目を集めることが期待されています。今後、詳細な検証を重ねることで、その実用性がさらに高まることでしょう。