伝統工芸作家の挑戦
2026-08-31 10:43:50

能登半島地震からの復興を目指す伝統工芸作家の挑戦

復興の舞台裏



能登半島地震から2年半が経過しました。この震災で、自宅兼工房を失った輪島の輪島塗作家、細谷幸夫氏は、金沢に新たな拠点を開設しました。その名も「忠兵衛ギャラリー」と「URUSHI NOIR(ウルシ ノワール)」。

新たな拠点立ち上げの背景



細谷氏は社長を務める株式会社細谷忠兵衛商店として、震災直後から「輪島へ戻るための第一歩」として金沢での事業再建を目指しました。輪島は依然として復興の途上にあります。その中でも、細谷氏は「まず仕事を取り戻し、再建に向けた足場を作る」と明言します。

金沢に設けられた2つの拠点には、伝統工芸の未来を紡ぐという重要な役割があります。「忠兵衛ギャラリー」は、能登の風土と伝統を再現した空間で、五感を通じた文化体験を提供。これにより、訪れる人々は輪島塗の本来の価値と奥深さを体感することができます。特に、文化功労者である三谷吾一氏の作品が中心に展示され、来場者は非日常的な空間での深い体験を楽しむことができます。

一方、ショップ「URUSHI NOIR」は、女性客に向けたカラフルな漆器や「カワイイ」と感じられる器を展示し、伝統工芸を身近に感じられる場を作ることを目指しています。細谷氏の作品はまだ十分には揃っていませんが、輪島の職人仲間や他の産地からの作品が取り扱われています。これにより、伝統工芸の技術や思いを未来へ繋ぐ大切な場となっています。

復興に向けた多彩な取り組み



復興とは、単に物理的な建物を再建することではないという考えを持つ細谷氏は、産業の再生には「生業(仕事)」の回復も不可欠だと認識しています。彼は震災後、「伝統工芸には未来があるのか?」と自問自答を繰り返しながら、その重要性を実感したのです。職人たちが生計を立てられなければ、代々受け継がれてきた技術や文化も消え去ってしまいます。

さらに、2026年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」では、能登の震災を経験した立場から、被災者への支援も決定。店舗の売上の5%を熊本の伝統工芸事業者への復興支援として寄付することが、産地の垣根を越えた新しい支援の形だと考えています。

今後の展望



株式会社細谷忠兵衛商店は、金沢を拠点に能登の復興と新しい伝統工芸の可能性を発信し続けます。輪島の職人たちと連携しながら、2026年末には熊本県内の支援先を決定し、寄付内容も公表する予定です。細谷氏は「輪島に戻るために、金沢から始める。」という強い思いを持ち続け、さらなる挑戦を続けます。

伝統工芸の豊かさとその未来を見守り、私たちもその歴史をともに紡いでいきましょう。


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