AI時代の美容業界における革新
先日、東京ビッグサイトで開催されたCOSME Weekにて、グローバル市場調査会社ミンテルのアソシエイトディレクターであるチャヤパット・ラッチャタウィパサナン氏が「AIが美容・化粧品業界に与える影響」について講演しました。ここでは、その内容をまとめていきます。
1. AIの進化と美容業界の変革
ミンテルは、最近の調査をもとに美容分野におけるAI技術の活用が進化していることを示しました。これまでの体験型ソリューションから、生産効率の向上や成分探索、診断技術の発展へとシフトしています。特に、世界各国で具体的な事例が登場しており、以下のような動きが見られます。
- - RevelaのAIによる新成分探索
- - Jo Malone LondonとGoogleが共同開発したAI香りアドバイザー
- - L’OréalとNVIDIAによる生成AIを活用した製品開発の最適化
日本市場においては、技術力が高い一方で消費者は新技術の導入に慎重であることがチャヤパット氏によって強調されました。特に、AI関連の特許出願数が多くても、消費者が新しい技術を試すことに消極的であることがデータで明らかとなっています。
2. 日本市場の消費者意識
日本では、消費者の新技術への関心が低いという調査結果がありました。具体的には、AI技術をいち早く試したいという希望が18%にとどまったのに対し、他のアジア諸国ではこの数値が高く、例えば中国では72%に達しています。しかし、情報を常に把握したいという欲求は非常に強く、日本では49%の人々が情報収集を重視しています。
チャヤパット氏は、消費者が求めるのは「生活の質を向上させる利便性や明確な価値」であり、企業はこれに応える必要があると述べました。特に、東南アジア市場への展開が企業にとって有効な戦略になるとのことです。
3. AIの未来と消費者の期待
さまざまな調査によると、日本の消費者はAI導入に対する期待と不安が混在しています。67%の人々がAIの導入に「どちらとも言えない」と回答しており、これは企業にとって新たなチャンスが広がっていることを示唆しています。
特に期待が寄せられているのは、肌や健康データに基づくハイパーパーソナライズや男性向け、多様な肌色への対応などです。チャヤパット氏は、AIは雇用を奪うのではなく、クリエイティブな業務への注力を可能にするツールであると強調しました。
4. Mintel Sparkの紹介
講演では、ミンテルのAIツール「Mintel Spark」も紹介されました。これは、新商品開発の初期段階を支援するもので、膨大なデータをもとに瞬時に新しい商品コンセプトを生成し、消費者の嗜好や市場動向を反映させたアイデアを提供します。
5. 講演を終えて
AIが美容業界に与える変革は一過性のトレンドではなく、企業が消費者の理解を得るための大きな機会であることが強調されました。ミンテルは今後も、世界と日本の市場に関する最新のインサイトを提供し、企業のイノベーション推進を支えていく予定です。
このように、AIと美容業界の融合は今後ますます進んでいくことでしょう。新技術の導入が進む中、消費者のニーズをどのように捉えていくのかが問われています。