坂本龍一の大阪初の大規模企画展が開催決定!
今年3月まで東京都現代美術館で開催され、34万人以上が訪れた坂本龍一の大規模展が大阪で新たに展開されることが決まりました。展覧会の名は「sakamotocommon OSAKA1970/2025/大阪/坂本龍一」。事前の予約チケット販売はすでに始まっており、8月1日からオンライン予約が可能です。この企画展では、坂本の若き日に受けたインスピレーションをテーマにした新たな視点が盛り込まれています。
1970年の坂本龍一と大阪万博の影響
1970年、当時18歳の坂本龍一が大阪万博で得た経験は、彼の音楽活動に多大な影響を与えました。その年、彼は「人類の進歩と調和」をテーマに掲げた万博で、多様な音楽やアートに触れ、特に前衛的な電子音楽に強く惹かれました。坂本が敬愛する武満徹の作品や、湯浅譲二、そしてカールハインツ・シュトックハウゼンが提案した音楽体験は、彼の作品に新しい創造性をもたらしました。
当時の万博では、例えば「ペプシ館」で中谷芙二子の霧の彫刻や、クセナキスが製作した音響アートも展示されており、これらの刺激が坂本の作品に大きな影響を及ぼしました。また、シンセサイザーに代表される電子音楽の世界への導入も、彼にとって新たな挑戦でした。
坂本の現代における音楽の継承
坂本は、2016年以降、万博で展示されたバシェの音響彫刻を演奏・録音する機会を持ち、その音を新たな作品に取り入れています。その成果は、2017年のアルバム《async》に反映されており、最近では彼の最後の劇場作品《TIME》でも確認できます。2025年に再び大阪で万博が開催される年、坂本の若かりし日の経験を新世代のクリエイターたちに伝えるプラットフォームとして「sakamotocommon」が立ち上げられました。
展示内容とアクセス情報
展覧会では、坂本龍一と共同制作した高谷史郎の作品《LIFEーfluid, invisible, inaudible...》や、坂本が過去に出演した映像、音響彫刻の展示などが行われる予定です。また、彼が愛用したグランドピアノで演奏するプログラムなど、さまざまな体験が提供されます。
- - 会期: 2025年8月30日(土) ~ 2025年9月27日(土)
- - 時間: 10:00 – 20:00(最終入場時間 19:30)
- - 会場: VS.(グラングリーン大阪内)
- - 住所: 大阪市北区大深町6番86号グラングリーン大阪うめきた公園 ノースパーク VS.
この展覧会は、坂本の遺した知的・物質的な遺産を未来に晒し、新たなクリエイションを生み出す試みとして位置づけられています。
総括
坂本龍一の音楽は、彼の存在がすべてを包括する場所として、新たなアートや音楽の共鳴が生まれることを願っています。彼が視たもの、感じたことを通じて、次世代のクリエイターたちに新しい刺激を提供し続ける企画展、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。