オーガニックファーム金沢大地が自然共生サイトに認定
2023年、株式会社金沢大地がコウノトリを育む有機農場であることが評価され、環境省の「自然共生サイト」に認定されました。この認定は、有機農業を通じて生物多様性を保全し、持続可能な社会の実現に向けた重要な取り組みとして位置づけられています。
25年の有機農業の歴史
1997年に金沢郊外で有機農業を始めた金沢大地は、その活動を通じて多様な生態系を育んできました。「コウノトリ育む農地保全増進活動」が成功し、2023年には特別天然記念物であるコウノトリのヒナが3年連続で誕生しました。これは、生態系の頂点に位置するコウノトリが健全に繁殖できる環境が整っていることを示しています。
環境省の認定の背景
「自然共生サイト」とは、生物多様性保全を目的に民間の取り組みを認定する制度で、今回の金沢大地のように有機農業を通じて生態系を保全している農場が評価されています。金沢市の河北潟干拓地に位置する金沢大地の農場は、地域に根差した活動をしていることでも注目されています。
地域と共生する取り組み
金沢大地では、地域の農家と協力しながら有機農業を推進しています。90ヘクタールの有機農場では、水稲だけでなく、さまざまな作物の栽培に取り組み、地域の食文化とも結びつけています。また、教育プログラムを通じて若い世代への環境意識の啓発も行っています。
自然資本と持続可能な農業の実現
金沢大地の取り組みは、ただの農業にとどまらず、生態系の保全を重視した「ネイチャーポジティブ」を実現しています。農薬や化学肥料に頼らない有機農業は、自らの手で自然資本を育てることにつながっています。生物多様性の保全を意識した農業は、地域社会の営みにも大きな影響を与えています。
コウノトリの未来を見守る
これからの活動においても、金沢大地ではコウノトリを含む多様な生物の観察・モニタリングが計画されています。生き物モニタリングの一環として、カメラを設置してコウノトリの繁殖状況をリアルタイムで観察することも予定されています。こうした活動を通じて、さらに多くの人たちに自然環境の大切さを伝えていきたいと考えています。
最後に
金沢大地の取り組みは、持続可能な農業のモデルケースとして注目されています。特に、地域との強い結びつきや多様な生態系の育成が評価され、今後の展望に期待が寄せられています。私たちがこれからどう自然と共生し続けていけるか、金沢大地の活動はその一歩を示しています。