舞台『十二人の怒れる男たち』ビジュアル撮影レポート
名作『十二人の怒れる男たち』が、2025年3月26日から30日に東京・サンシャイン劇場で上演されるということで、ビジュアル撮影の様子をレポートします。本作は、陪審員たちの内面を描いた法廷劇であり、原作のレジナルド・ローズは世界中の創作者に影響を与えてきました。
撮影現場の様子
スタジオは白いホリゾントが基本で、俳優たちの立ち姿を中心に撮影が行われました。その一角にはアナログ電球を用いたオレンジ色の撮影ブースが設けられ、陪審員たちの内面を象徴する夏の日差しが演出されています。撮影では、デザインや光の当て方を工夫し、各キャラクターの深みを引き出すことに注力されています。
最初の撮影は陪審員2番を演じる朝田淳弥。彼は銀行員の役柄に合った焦げ茶色のスーツを身にまとい、知的な印象を与えます。2番は意見を容易に変える性格で、協調性もあるものの、自分の意見を言うことに苦手意識があるキャラクターです。撮影中、カメラマンから「カッコよくならないように」とのリクエストが寄せられ、和やかな雰囲気が漂います。朝田は「普段は決まった印象で撮ることが多いので、今回は抜け感を意識しました」と話し、ビジュアルについてドキドキしている様子が見受けられました。
次は陪審員10番を演じる小波津亜廉。彼は高身長でサスペンダーが似合い、労働者階級の逞しさを感じさせます。10番は短気で不機嫌な性格で、撮影中もアドリブで叫ぶなど、周囲を和ませる一面も。小波津は「10番の怒りの原因をしっかり表現したい」と意気込みを語り、撮影が楽しかったことを強調しました。
ラストは陪審員8番を演じる富永勇也。建築家という役柄にふさわしいアースカラーのスーツを身にまとい、理論的で信念を持ったキャラクターを表現します。8番は最初の評決で唯一の無罪を主張する重要な角色であり、その姿勢が求められます。富永は、「8番は正しく評決することを願っていて、その思いをビジュアルで表現できて良かった」と言い、確信に満ちた表情を浮かべました。
作品の魅力
『十二人の怒れる男たち』は、陪審員たちが投票を通じて様々な観点や感情に向き合い、真実を追求していく姿が描かれています。陪審員の一人の異議申し立てから、物語は複雑に絡み合った人間ドラマへと展開していきます。出演する俳優たちの真摯な姿勢が、作品に込められたメッセージの重みを際立たせています。
このレポートを通じて、観客が作品に対する期待感を高められれば幸いです。彼らの取り組みが織りなす舞台のクオリティにご注目ください。