167年の伝統を生かし小豆島が目指す持続可能な未来とは
小豆島は、美しい自然と豊かな歴史を持つ地域ですが、その地域を支える産業の振興が求められています。そうした中、167年間ごま一筋で商品を提供してきた「かどや製油」は地域活性化に向けた新たなプロジェクトを始めました。このプロジェクトは「ごまを通じてつながる持続可能な島」をテーマに、小豆島の魅力を見直し、次世代を担う子どもたちに地域について学ぶ機会を提供することを目的としています。
「ごまのみらい小豆島プロジェクト」の概要
「ごまのみらい小豆島プロジェクト」として知られるこの取り組みは、地域の小豆島土庄町と連携し、地域の農業振興や食への関心を高めることを目指しています。特に、子どもたちがごまを身近に感じられるような体験を提供し、食文化や農業の重要性を再認識することが大きな目的です。
今年の9月9日、土庄町の土庄小学校の3年生78名を招いて実施されたフィールドワークは、その一環です。子どもたちはごまの束を乾燥する作業や、その実を取り出す「たたき作業」「ふるい作業」「唐箕(とうみ)作業」を体験し、ごまがどのようにして私たちの食卓に届いているのかを学ぶ貴重な機会を得ました。
地域の魅力を再発見する体験学習
子どもたちは、普段目にすることのないごまの束を見て、興味津々な様子でした。作業が進む中で、前田さんによるこのプロジェクトの理念と、来年の1月から給食に使われる予定のごまの収穫についての話があり、学びの意義が強調されました。特に「70キロのごまから得られる200g瓶のごま油は130本しか収穫できない」という言葉は、子どもたちにごまの大切さを痛感させるものでした。
また、たたき作業を実際に行った子どもたちは「難しかったけど楽しかった」と感想を述べ、自分の手で取ったごまの実を通して食材の背景に触れ、食の大切さを学ぶ良い機会となったようです。
ごまの製造工程の見学
フィールドワークの後半では、かどや製油の小豆島工場を訪問し、実際のごま油の製造過程を見学しました。ごま油がどのように作られるのか、その歴史や工程について説明を受け、子どもたちは真剣に耳を傾けていました。このプロジェクトの特徴の一つは、2025年に収穫したごまを使用した初の搾油見学が実施される点です。収穫したばかりのごまがどのように処理されていくのか、実際に目で見て体験することができるため、子どもたちにとって非常に貴重な経験となります。
地域課題の解決に向けた取り組み
「ごまのみらい小豆島プロジェクト」は、地域の農業振興だけでなく、遊休地の活用や地域雇用の創出、さらには過疎化の進む地域の活性化にも寄与することが期待されています。2026年には、この取り組みの一環として、収穫したごまを使用した給食の提供が予定されており、地域の食文化が次世代に受け継がれることを目指しています。
結論
かどや製油は、その長い歴史と伝統を生かし、持続可能な未来に向けて新しい挑戦を続けています。このプロジェクトを通じて、子どもたちに地域の重要性を実感させ、未来の担い手を育てるための取り組みが続くことを期待しています。