Studio Wの初公演『時計のこども Child of Time』レポート
2023年5月15日から17日、東京都渋谷区のCBGKシブゲキ!!で、ウォーリー木下と和田俊輔が結成した創作ユニット「Studio W」の旗揚げ公演が行われました。タイトルはリーディングミュージカル『時計のこども Child of Time』。
このユニットは、ジャンルや形式に縛られずに、新しいミュージカルの姿を追求するべく設立されました。公演はブロードウェイのワークショップ形式で、物語の大まかな流れと主な楽曲が披露されるというもの。セットは時計の針をイメージしたシンプルなデザインで、4脚の椅子、無数のライムライト、アンティーク調のランプ、そして音楽を奏でるキーボードとマイクが配置されていました。
開演は、ウォーリーの紹介によってキャストが登場し、時計と人間が共存する不思議な惑星での物語が始まります。主役のチク(斎藤瑠希)は、正確な時間を刻むことができない「調子っぱずれな時計のこども」。彼を支える親友タク(橋本祥平)は、立派な時計になる夢を抱いています。一方、メロ(新良エツ子)という音楽教師は、チクに音楽を教えている最中に、自身も成長する姿が描かれます。
ストーリーの中では、妻を事故で失った時計職人マスター・ルバート(牧島輝)がチクを作った経緯が触れられ、その思いが物語に深みを与えています。音楽コンクールを背景に展開される物語では、思いもよらぬ事件が発生し、チクは生死の境をさまようことに。宇宙や時間、音楽についての哲学的な問いかけから、身近な問題までが巧みに織り交ぜられていきます。
音楽面にも注目が集まります。ウォーリーと和田の相互作用によって進化した楽曲は、心地良いメロディーと共に圧倒的な表現力を持っています。歌詞は観客の想像力を刺激し、「チクタク」「ジリリリ」といった擬音も効果的に使われ、大変魅力的です。日本語でオリジナルミュージカルを創作する試みは、ただメロディーに乗せるだけでなく、物語に寄り添った詩的な表現が詰まっています。
公演は全5回実施され、そのうち4回ではウォーリーと和田によるアフタートークも行われました。観客との対話を通して、新たな発見が生まれるのは、両者にとって次の創作に向けた貴重な経験となったことでしょう。公演中、さらなるキャラクターや楽曲の追加、テーマの変更の可能性が論じられ、今後の展開に期待が高まります。
「Studio W」は、観客との共同作業を楽しむ姿勢が見え、彼ら自身もそのプロセスを重視しています。このようなアプローチにより、日本のオリジナルミュージカルが世界で通用するようへと進化していくことが期待されます。今回の公演は、その序章に過ぎないのかもしれません。
【作品詳細】
- - タイトル: Studio W vol.1 リーディングミュージカル『時計のこども Child of Time』
- - 作・演出: ウォーリー木下
- - 音楽・作詞・演奏: 和田俊輔
- - 出演: 斎藤瑠希、新良エツ子、橋本祥平、牧島 輝(50音順)
- - 日程: 2023年5月15日(金)〜5月17日(日)
- 5月15日 18時公演
- 5月16日 13時公演/16時公演
- 5月17日 12時公演/15時半公演
- - 会場: CBGKシブゲキ!!
- - 企画: Studio W(ウォーリー木下+和田俊輔)
- - 製作: キューブ
- - 主催・お問い合わせ: キューブ 03-5485-2252(平日12-17時)
このユニットの魅力と公演の可能性をぜひ、追い続けていきたいですね。