チョン・ジェイルが奏でる映画音楽の魅力と日本初のオーケストラコンサート
韓国の音楽シーンで急成長を遂げている作曲家、チョン・ジェイル。この度、2026年2月21日(土)に東京文化会館で彼の音楽がオーケストラによって生演奏されるコンサートが行われることが決まりました。これに先立ち、チョン・ジェイルさんにインタビューを行い、彼の音楽の背景や最新の取り組みについてお話を伺いました。
チョン・ジェイルの歩み
チョン・ジェイルは1982年生まれで、これまでに『イカゲーム』や『パラサイト 半地下の家族』、是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』など、数々の名作映画やドラマの音楽を手掛けてきました。特に『イカゲーム』は、2021年に公開されるや否や瞬く間にNetflixの大ヒット作となり、その音楽も多くの人々の記憶に残りました。この作品を通じて、彼の名は世界中に知れ渡ることとなりました。
音楽制作の背景
チョン・ジェイルは、自らの音楽を「様々な感情やあらゆる音楽の素材の収集家」と表現しています。彼はベース専攻で音楽を学び、若い頃はシンガーソングライターとして活動していましたが、ある時から他者のために音楽を作ることに専念するようになりました。 その結果、彼は劇場や映画における音楽制作において高い評価を得るようになり、特に彼の独特な音楽スタイルは国際的にも注目されています。
チョン・ジェイルの音楽は、聴く人に新鮮な感覚を提供し、難解さを感じさせないところが特徴です。 彼は「古いものを繰り返すだけでは音楽は生まれない。常に新しいものを探求し続ける必要がある」と語っています。この態度は、彼がさまざまなジャンルの音楽に触れる中で「古い芸術家からの刺激」を受けていることに由来しています。特に坂本龍一からは多くの影響を受け、自らの音楽への姿勢を変えるきっかけとなったと明かしています。
映画音楽の魅力
彼がポン・ジュノ監督とのコラボレーションを通じて有名になるきっかけとなったのは、映画『パラサイト』です。この作品では、音楽が登場人物の心情やストーリーの展開を見事に表現しています。たとえば、『パラサイト』の《オープニング》では「暗く、しかし希望に満ちた音楽」という具体的な指示を受け、そのサウンドを探し出すために多大な努力を要しました。彼の音楽は、映像の文脈やキャラクターの内面と見事に融合している点が魅力的です。
オーケストラコンサートの見どころ
2026年には、東京文化会館で行われる今回のオーケストラコンサートでは、彼の作品から約8曲が演奏される予定です。チョン・ジェイルは「ドラマの音楽をそのまま演奏するのではなく、全て新しくオーケストラに編曲する」と意気込みを語っています。特に印象的な3曲は、ドラマの中で使用された「わらべうた」をもとにしたもので、観客を新たな音楽体験に導くことが期待されています。
コンサートでは、東京フィルハーモニー交響楽団と共演し、彼自身のピアノパフォーマンスを交えた多様な演出が予定されています。このイベントは、ただの音楽コンサートにとどまらず、文化交流の機会ともなるでしょう。
日本への思い
チョン・ジェイルは「東京で公演することは私にとって特別な意味があります」と述べています。日本の音楽や文化に親しんできた彼にとって、このコンサートは自身のキャリアの新たな一歩であり、聴衆との心の交流が期待されています。
このように、チョン・ジェイルの音楽と彼が創り出す世界は非常に興味深いものです。彼の音楽に魅了されてきたファンや新たに彼の作品に触れる方々にとって、このコンサートが素晴らしい経験となることでしょう。ぜひ、彼の音楽の魔法に触れる絶好の機会をお見逃しなく!