音楽の深遠を探求する『超楽器』が京都コンサートホールから登場

音楽の初源と極限に迫るアンソロジー『超楽器』

2025年10月、京都コンサートホールは開館30周年を迎え、特別な記念イベントが予定されています。この重要な節目に、哲学者の鷲田清一氏とホールプロデューサーの高野裕子氏が手掛けた音楽アンソロジー『超楽器』が10月30日に刊行されることが発表されました。この作品は、音楽に情熱を注ぐさまざまな著名人のエッセイを集めたもので、音楽の持つ深遠な意味を追求しています。

日本を代表する執筆陣の魅力

本書には、著名な専門家やアーティストたちが参加しています。人類学者の山極壽一氏、作家の堀江敏幸氏、指揮者の佐渡裕氏など、多彩な執筆陣が一堂に会し、それぞれの音楽体験や思想を語りつくします。これにより、読者は音楽に対する新たな視点と感動に出会うことができるでしょう。

「超楽器」コンセプトの核心

すべてのエッセイに共通して流れるテーマは、京都コンサートホールの設計者である磯崎新氏の言葉「ホールもひとつの楽器（＝超楽器）である」という概念です。この言葉が示す通り、ホールはただの音楽の舞台ではなく、音楽と一体となる存在なのです。それぞれの著者が自身の経験に基づき、音楽の初源と極限を探求する姿勢は、まさに本書の魅力のひとつです。

目を引く魅力的なデザイン

『超楽器』はその内容だけでなく、外見でも楽しませてくれます。判型は音楽にふさわしい黄金比を基にしており、表紙は銀色の紙にレインボー加工が施されており、きらびやかさ漂う一冊となっています。また、読みやすさを考慮した紙面デザインにも配慮されており、手に取る価値があります。

書の内容と構成

本書はプロローグと三部構成から成り立っています。

- 第Ⅰ部律動 では、音楽と人の深い結びつきが探求され、作家や指揮者がそれぞれの視点から音楽の「律動」を捉えます。
- 第Ⅱ部旋律 は、音楽の持つ旋律の力を通じて、神秘的な側面に迫ります。
- 第Ⅲ部交響 では、音楽の旅が描かれ、作品を通じて多様な感情や体験が映し出されます。

まとめ

『超楽器』は音楽と哲学、その両方を愛する読者にとって、必携のアイテムとなるでしょう。鷲田清一氏の編纂によるこの音楽アンソロジーは、京都コンサートホールの30周年を記念するにふさわしい、音楽の深淵に触れる絶好の機会を提供します。2025年10月30日、ぜひ手に取って、その世界観を体験してみてください。