クリルオイルの進化—最新の研究成果とは
「クリルオイル」は、南極海のナンキョクオキアミから得られる特別な海洋性油脂で、その健康効果がますます注目を集めています。最近、三生医薬株式会社は「日本脂質栄養学会 第34回大会」において、クリルオイルに関連する興味深い研究成果を発表しました。本記事では、その詳細をお届けします。
1. クリルオイルとMCTの持続吸収設計
三生医薬が独自に進めてきた研究で、「クリルオイル×MCT」による持続的な吸収設計が実現されました。これにより、クリルオイルの成分をより効率的に吸収することができる可能性が示されています。具体的には、クリルオイルと中鎖脂肪酸(MCT)を組み合わせることで、高次構造のマトリックスが形成され、脂溶性成分が包み込まれ、ゆっくりと放出される仕組みが作られたのです。動物試験の結果、吸収の立ち上がりが穏やかで、血中濃度が長時間持続することが確認されています。
この研究は、成分の量を増やすだけではなく、どのように機能させるかに着目した新たなアプローチです。これにより、機能性表示食品や高付加価値のサプリメントを企画する企業にとって、新しい製品開発のヒントとなるでしょう。
2. 筋肉量維持の新しい可能性
もう一つの注目すべき研究は、英国・グラスゴー大学によるものです。同大学の研究チームが、断続的断食(ADF)を用いた減量プログラムにおいて、1日4gのクリルオイルを摂取した参加者が、体重を減少させつつも筋肉量や握力の低下を抑制できたことを報告しています。通常、ダイエット中に筋肉量が減少しやすいのですが、クリルオイルの摂取が筋肉の維持に役立つことが示されました。
この成果は、クリルオイルが脂質代謝の改善のみならず、筋機能の維持にも寄与する可能性があることを示唆しています。「健康的に痩せる」というコンセプトを持つ製品の開発に大いに貢献することが期待されています。特にダイエット市場では「筋肉を維持しながら脂肪を減らしたい」というニーズが高いため、これらの知見は製品開発に新たな切り口を提供します。
3. 研究者の声
クリルオイル研究会の会長である矢澤一良氏は、クリルオイルがリン脂質型オメガ3を豊富に含むユニークな海洋資源であり、その機能性がますます解明されていることを強調しています。また、三生医薬の研究がもたらした“持続吸収設計”や“筋量維持効果”は、業界に新しい価値を提供する重要な成果であると述べています。
4. クリルオイル研究会と三生医薬の役割
クリルオイルの研究は、2013年に設立されたクリルオイル研究会を通じて進められてきました。この組織は、産学連携により基礎研究から臨床研究までをカバーし、健康の発展に寄与することを目指しています。今後も、科学的根拠に基づいた健康的価値の社会実装を目指して、さらなる研究の進展が期待されます。
3生医薬は、愛知に本社を置き、クリルオイルに力を入れている企業です。製剤設計や商品開発においても新しい技術を導入し、顧客に価値ある商品を提供するための努力を続けています。
5. 最後に
クリルオイルの可能性は無限大です。原料自体の機能性だけでなく、どのように活用するかが今後の鍵となるでしょう。三生医薬の最新の研究成果を通じて、私たちの健康と美容に寄与する新しいサプリメントが数多く登場することを期待しましょう。これからの「クリルオイル」の動向からも目が離せません。