タカラベルモントが発表した髪の研究
最近、タカラベルモント株式会社が、クセ毛と直毛の違いに関する興味深い研究成果を発表しました。その研究結果は、毛髪内部のケラチン分布パターンが髪のクセや真っ直ぐさにどのように影響を与えるかを解明するものでした。
研究背景と目的
髪のクセに関する疑問は、多くの人々が抱いており、「なぜ直毛とクセ毛が存在するのか?」という問いに対し、長年にわたり研究が続けられています。この研究では、特定のケラチンの分布パターンと、その髪の性質との関連性を探ることが目的でした。特に、毛髪を形成する重要な成分である「ケラチン」に着目し、その中に含まれる12種類ものケラチンの分布を可視化することで、髪質の違いを科学的に説明することが狙いです。
進化したイメージング技術
タカラベルモントの化粧品研究開発部は、独自の蛍光イメージング技術を駆使して、毛髪内部のケラチンの分布を高解像度で可視化しました。この技術により、12種類のケラチンの分布状況が明らかになり、特に KRT35、KRT38、KRT85 の3種類において、クセ毛と直毛の違いが顕著に示されました。
研究結果の発見
研究の結果、クセ毛では特定のケラチンのバランスが左右で偏っており、これが毛髪のうねりに寄与している可能性が示唆されました。この発見は、従来の研究では明らかにされていなかった新たな視点を提供しており、今後の髪質改善への道筋を示すものといえます。
数値解析による新しいアプローチ
さらに、研究チームは画像の類似性を測るユークリッド距離を用いた新しい方法で、髪の横断面を左右に分割し、類似度を比較することに成功しました。これにより、クセ毛に特有のケラチン分布のズレを精密に数値化でき、その結果、左右のケラチン分布の違いを定量的に評価することが可能になりました。
未来への期待
この研究成果は、クセ毛のメカニズムを根本から理解するための重要な一歩です。今後、髪の成長段階から髪質を改善する新技術の開発へとつながる可能性を秘めています。また、今回のイメージング技術の進化により、ケラチンだけでなく、他の毛髪成分の可視化が可能となり、美容や健康関連分野に向けた新しい応用が期待されています。
タカラベルモントは、これからも毛髪科学の最前線で新たな可能性を追求し、髪の本質に迫る研究を続けていくことでしょう。その成果により、多くの人が髪質に対する理解を深め、より美しい髪を育てる手助けとなることを願っています。