ワコールの新技術「Melooop」でファッションが変わる！持続可能なものづくりの未来

知っておきたい！ワコールの新技術「Melooop」

2020年に、株式会社ワコールが開発した新しい技術「Melooop（メループ）」が注目されています。この技術は、メルトブロー法を応用したもので、環境に優しいファッションアイテムの製作に貢献することが期待されています。メルトブロー法とは、樹脂を熱で溶かして極細繊維を作り出すプロセスで、この手法を使うことで立体的な形状のものを効率よく生産できるのです。

環境負荷を軽減する技術

「Melooop」の最大の特長は、使用される素材がモノマテリアルであるため、リサイクルが容易であることです。また、型に吹き付けることで成型を行うため、廃棄材料をほとんど出さず、非常に効率的なものづくりが実現しています。また、使用する樹脂は染料や顔料を追加することで色を付けることが可能で、染色工程が不要というメリットもあります。

新たなファッションアイテムの取り組み

ワコールは、2024年から経済産業省主催の「みらいのファッション人材育成プログラム」に参加し、「Melooop」の可能性を広げていく所存です。このプログラムを通じて、ファッションブランド「doublet」とのコラボレーションが実現しました。これにより、従来の製法では難しかった新しい形状やテクスチャーのアイテムが制作されています。

2025年の秋冬パリメンズコレクションで発表されるポーチやバッグなど、既存の枠を超えたデザインが今から楽しみです。

Melooopの開発の背景

ブラジャーのカップ生産において、従来のカットソーやモールド成型方式には、それぞれの課題がありました。カットソーではオペレーターのスキルに依存し、モールドでは多くの廃棄が発生します。このような悩みから、「Melooop」の開発が始まりました。2018年には立体的な形状を生み出す技術の開発に取り組み始め、2020年にその運用を実現しました。

具体的な生産プロセス

「Melooop」によるブラジャーカップ製作の流れは、以下の通りです。
1. 原料ペレットに染料や顔料を加え、色付けを行います。
2. 加熱した樹脂が極細の繊維にされ、型に吹き付けられます。
3. 吹付けの距離や時間を変えながら、立体的に成型していきます。
4. 不要になった部分をロボットがカットし、形を整えます。
5. 過剰な材料は熱処理によりペレットとして再利用されます。

このプロセスにより、環境に優しいものづくりが実現されています。

未来に向けた展望

「Melooop」の開発はまだ始まったばかりですが、今後はファッション分野以外でもその技術を活用していく計画があります。持続可能なものづくりを支えるこの技術が、これからのファッションやその他の産業にどのような影響を与えるのか、目が離せません。ワコールが手掛ける「Melooop」によって、持続可能で新しい価値のある製品が生まれる未来が待ち遠しいですね。