アイリスグループ2024年度決算速報
アイリスグループは、昨今の様々な経済の影響を受けながらも、2024年度において増収増益を見込んでいます。この結果は、2020年以来4年ぶりのこととなり、グループ全体の努力が実を結びました。特に、地政学的リスクや供給チェーンの混乱、コロナ禍の影響による厳しい経営環境に対処してきた成果が現れています。
決算の背景と成長戦略
これまでの厳しい経済状況の中、アイリスオーヤマは特に家電やマスク事業において売上の低迷が見られました。円安や物価高の影響で価格転嫁が難しく、経常利益は前年を下回る見込みでした。しかし、国内製造回帰をすすめている食品事業は、特にパックごはんや飲料水の生産設備が稼働し、売上が大きく伸びています。
アイリスグループは2025年に向け、さらなる成長を目指しています。新設される舞鶴工場と岡山瀬戸内工場では、食品事業の基盤を一層強化。さらに、緑茶生産の追加投資も決定,2030年には食品事業の売上を1,000億円、うち輸出100億円を目指します。
ヘルスケアと法人向け事業の強化
また、ヘルスケア事業では新たに赤ちゃん用紙おむつ市場に参入し、生産設備への投資を予定しています。これにより、衛生用品の品揃えを充実させ、2030年には400億円の売上を見込んでいます。
法人向け事業では、労働者不足への対策としてサービスロボットの導入が進んでいます。すでに6,000社以上で導入されているサービスロボットにより、業務のデジタルトランスフォーメーションが実現しつつあります。また、電気料金の高騰を受けて、エネルギーマネジメントシステム(EMS)の事業も拡大。
給与アップと企業成長へのコミットメント
2025年度には、前年に引き続き約5%の賃上げを行う方針も発表されています。これにより、企業成長だけでなく人材の確保や採用強化も目的としています。グループ全体の売上高は8650億円、アイリスオーヤマ単体で2600億円を目指しています。
まとめ
アイリスグループはコロナ禍の影響を克服し、新たな成長段階に入っています。これからも持続可能な成長を追求しつつ、社会課題への取り組みを強化していくことでしょう。多様な事業を展開することで、今後のさらなる展開に期待が寄せられます。