睡眠の質を向上させる新たな提案
最近、睡眠に関する研究が進む中、慶應義塾大学とビューティーケアブランド『SINN PURETÉ(シンピュルテ)』が共同で行った実証実験が注目を集めています。この実験では、睡眠前に特定のフレグランスを使用することで、睡眠の質が向上することが確認されました。
実験の背景と目的
シンピュルテは、MINDFUL BEAUTY®をキーワードに、脳波解析に基づいた香りを用いるビューティーケアアイテムを展開しています。コロナ渦の影響でリブランディングし、フレグランス部門を強化した彼らは、特に睡眠にフォーカスを当てた香りの開発に着手しました。
そこで、72万人待ちという予約困難な「悟空のきもち」とのコラボレーションが実現。睡眠解析の専門家である慶應義塾大学の満倉教授と共に、睡眠の質に与える香りの影響を探るための実証実験を行いました。
実証実験の内容と結果
実証実験は2024年9月25日から10月16日までの間、18名の被験者(20〜50代男女)を対象に実施されました。被験者は、香りの有無による睡眠の影響を比較するため、香りの使用と無使用の期間を設けて7日間ずつ検証しました。
実験方法
- - 香りの噴霧: それぞれの睡眠時間の約1時間前と直前にフレグランスを5プッシュ噴霧。
- - 睡眠測定: 利き手と反対側の手首に睡眠測定デバイスを装着し、起床後にデータを取得。
- - 香り無しの期間は測定デバイスのみを装着。
主な結果
実験を通じて、フレグランスを使用した場合、被験者の睡眠状態に顕著な改善が見られました。特に、N2段階の睡眠が0.69ポイント、N3段階の睡眠が1.63ポイント上昇したことが確認されたのです。
さらに、スタンフォード眠気尺度(SSS)による評価でも、眠気の改善が14%見られました。これにより、睡眠前に香りを取り入れることが、より快適で上質な眠りを促進する一因であると考えられています。
専門家の声
満倉教授は、今回の結果を受けて、香りを嗅ぐことが睡眠に与える影響について次のようにコメントしました。「香りの使用は、入眠を促す儀式としての効果もあり、習慣化することで、さらなる改善が期待できるでしょう」。
一方、悟空のきもちの代表である金田淳美さんも、香りが睡眠や疲労感に与える影響の大きさを認識しており、今回の共同開発に感銘を受けたとのこと。彼女は、部屋の香りによって睡眠の質が向上することは、多くの人にとって重要であると述べていました。
これからの期待
SINN PURETÉのフレグランスは、ただの香りではなく、利用者の日常に寄り添う新しいスタイルのビューティーケアとなることを目指しています。香りが持つ力を最大限に引き出し、心身ともに癒される空間作りを提供することが、現代社会での「快適な生活」を実現する一助となるでしょう。
今後の研究がどのように進展し、どのような新たな香りが登場するのか、ますます楽しみです。睡眠の質を向上されするための取り組みが多くの人に広がることを期待します。