YUIMA NAKAZATO展:砂漠が語る宇宙と巨大ナマズの物語
日本のファッションシーンを代表するブランド、YUIMA NAKAZATOが15周年を迎えるにあたり、初の国内単独展覧会を六本木ヒルズ森タワー52Fの東京シティビューにて開催します。展覧会の副題は「砂漠が語る宇宙と巨大ナマズの物語は衣服に宿るか」。このユニークなテーマは、衣服が単なる機能を超え、文化や歴史、個々の物語を表現する手段であることを示唆しています。
展覧会は、2月3日からスタートし、公開されるコレクションはYUIMA NAKAZATOのこれまでの集大成とも言えるもので、特にCouture Collection「UTAKATA」や「UNVEIL」といった作品がフィーチャーされます。これらのコレクションは、オペラ「IDOMENEO」からインスパイアを受けており、過剰な消費時代の中での衣服の意味を問う、深いメッセージを持っています。
中里唯馬は、2009年のブランド設立以来、パリのオートクチュール・ウィークにも参加し続けており、日本唯一のファッション・ブランドとしてその名を馳せています。2024年には15周年を迎え、フランスのカレー公立・レース・ファッション美術館にて単独回顧展「BEYOND COUTURE」を実施し、世界的な注目を集めました。今回はその流れを受け、最新のコレクション「FADE」を含む、これまでの軌跡を振り返る貴重な機会となっています。
この展示は2つのセクションに分かれています。最初のセクションでは、これまでの15年間で発表された「UTAKATA」や「UNVEIL」のコレクションが回顧され、後半では今月末にパリで発表される最新作「FADE」が紹介されます。エプソンの最新テクノロジーと結びつけることで、持続可能なファッションの実現に向けた思いも強調されています。展覧会では、衣服とアイテムの展示のみならず、コレクションのインスピレーションや、制作の過程も体感できるインスタレーションも用意されています。
また、展示の後半には、実際に古着から制作したスニーカーや、Spiberが開発したテーラードシリーズも販売される予定です。これにより、古着再生の重要性や、最先端の技術がもたらすファッションの未来を実感できるでしょう。
展覧会のテーマについて中里は「衣服を『纏う』のではなく『読む』体験を提供したい」と述べています。衣服がコミュニケーションの道具として持つ力が、私たちの日常にどのように影響を与えるのか、ぜひこの機会に体験してみてはいかがでしょうか。
この特別な展覧会を通じて、YUIMA NAKAZATOの独自の視点や理念に触れ、ファッションが持つ可能性を再考する良い機会となることでしょう。皆様の訪問を心よりお待ちしております。