物理学者から医療の先駆者へ、山口葉子の挑戦と未来
女性の活躍が多くの場面で注目される中、ナノエッグの代表取締役・山口葉子さんがForbes JAPANとEYの賞を同時に受賞したことは、多くの人に勇気を与えています。彼女の背景や挑戦、今後のビジョンについて掘り下げてみましょう。
山口葉子とは
山口さんは、元々物理学の研究者でした。しかし、彼女のキャリアが大きく変わったのは、娘のアトピーがきっかけでした。この体験から、彼女は医療の分野に興味を抱くようになり、聖マリアンナ医科大学にてパート研究員としてキャリアをスタートさせました。
そこで、皮膚科学やドラッグデリバリーシステム(DDS)の研究に取り組み、最終的には准教授にまで昇進。それまでの経験が、彼女をベンチャー経営者へと導くこととなります。
ナノエッグの創業
2006年、山口さんは聖マリアンナ医科大学から独立し、ナノエッグを設立しました。この会社は、科学の力を利用した薬剤の新たなデリバリーシステムを開発し、より多くの人々の健康をサポートすることを目指しています。彼女のビジョンは、科学と人の想いを繋ぎ、医療だけでなく美容や予防の分野でも新たな価値を提供することです。
受賞の理由と影響
Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2025では、山口さんが長年社会課題の解決に取り組んできた企業経営者として評価され、特に「パイオニア賞」を授与されました。この受賞は、彼女が女性としてのリーダーシップを発揮し、周囲の多くの女性にとってのロールモデルとなっていることを示しています。
また、EY Winning Women 2025では、革新的な女性経営者としての貢献が認められ、海外のネットワークを通じた共同研究の拡大が期待されています。彼女の挑戦が、研究者や女性経営者にどんな影響を与えるのでしょうか。
今後の展望
山口さんは今後、国内外で女性のリーダーシップを推進するための活動を続けるとともに、AI創薬を中心とした海外共同研究を積極的に進めていくとのこと。また、持続可能な組織運営のために、多様な働き方やキャリア支援にも力を入れていくと話しています。
結び
「研究室で分子を見つめていた日々から、人の肌や痛みを想う研究に変わりました。科学が人の役に立つ瞬間を信じ、挑戦を続けてきた結果が、こうして評価いただけたことを嬉しく思います」と山口さんは語ります。彼女の信念である「誰かの痛みを科学で癒す」という理念は、多くの人々に共感を呼び、医療の電光石火を切る手助けをすることになるでしょう。
ナノエッグは、これからも独自の技術をもとにより多くの人々の幸せに貢献し続けることを目指しています。