ヤマハがスタインバーグのハードウェア事業を承継し新たな展開へ

ヤマハ、スタインバーグのハードウェア製品事業を引き継ぎ

ヤマハ株式会社は、100%子会社であるSteinberg Media Technologies GmbH（通称スタインバーグ）がこれまでを担ってきたハードウェア製品事業を、新たにヤマハに移管することを発表しました。この変更により、スタインバーグが開発してきたハードウェア製品の企画や開発機能がヤマハに統合され、ヤマハブランドとして新たな製品が展開されることになります。

スタインバーグは、これまでのハードウェア製品から一歩引き、今後はソフトウェアの開発と販売に専念することになります。特に、音楽制作ソフト『Cubase』や『Nuendo』などのソフトウェアの進化に注力することが期待されています。

スタインバーグの歴史と新たな展望

スタインバーグは、2005年にヤマハグループに加わり、2008年にはDSP内蔵FireWireオーディオインターフェース『MR816』とDAWソフトウェア専用コントローラー『CC121』を共同開発しました。この製品は、その使いやすさから広く支持を受け、プロアマ問わず多くのクリエイターに愛用されてきました。さらに、USBオーディオインターフェース製品群「UR」，「UR-C」，「UR-RT」や、エントリーモデル「IXO」は、高い信頼性と品質を誇っており、音楽制作の新米クリエイターからプロのスタジオまで、幅広い用途で活躍しています。

今回の事業移管により、スタインバーグが自社のブランドで提供してきたハードウェア製品、具体的には「IXO12」「IXO22」「UR22C」「UR44C」については、それぞれ新たに「UR12MK3」「UR22MK3」「URX22C」「URX44C」としてヤマハブランドに改名され、同一の仕様での製発売が行われます。これらの製品は、これからのユーザーにとって信頼できる選択肢となるでしょう。

未来への期待と新たなシナジー

ハードウェアとソフトウェアの分業が明確になることで、ヤマハとスタインバーグはそれぞれの専門性を活かし、さらなるユーザー体験の向上を目指します。両社の協働によるシンジケーションは、高度な音楽制作環境を提供する礎となります。音楽制作がますます進化する中、新たな創造性を開放するための製品やサービスの進展が期待されています。また、スタインバーグのハードウェア製品は、段階を経て販売終了となりますが、当面はサポートとドライバー提供を続けることが明らかにされています。

ヤマハの新しい展開に期待しつつ、音楽制作の未来がどのように変わっていくのか、ユーザーとして見守っていく必要があります。技術の進歩とともに、クリエイティビティを刺激する新製品が登場することを楽しみにしています。