職人技とブランドの共創が生む日用品の未来を探る

クラフトシップス株式会社は、その独自のアプローチによって、日用品の概念を一新しようとしています。近年、環境問題への意識が高まる中で、「使い捨て」という文化からの脱却に向けて、職人技とブランドの共創が重要な役割を果たすとされています。特に、今回の「CRAFTED STORY」プロジェクトでは、アクタスやコンバースなどのブランドとの対談を通して、これまでの「消費」から「継承」という新しい価値観へとシフトする道筋が示されています。

このプロジェクトは、日用品に文化や記憶を宿すという理念のもと、長く使い続けられる商品を作り出そうとする試みです。職人たちは各地に残る技術を活かし、ブランドとともに、日常の生活に寄り添うアイテムを創造するために心血を注いでいます。
アクタスとクラフトシップスのコラボレーションで生まれたWernerシューメーカースツールや、MOHEIMのゴミ箱SWING BINの石目模様モデルなど、共創によって生み出された製品は、消費するだけのものではなく、使用し続ける中で愛着が育まれるアイテムとなります。

愛着が生む持続可能性

「日々の生活に寄り添って、長く使い続けられるものを」という哲学は、クラフトシップスが追求する持続可能性の核となっています。今回のプロジェクトでは、各ブランドが独自の手法で、使い捨てられることのない製品作りを目指しています。この試みは、単なる大量消費への反発ではなく、愛着を育むことによって物の寿命を延ばす方法とも言えます。
クラフトシップスでは、消費社会がもたらした問題点を整理し、新しい商品を通じて使い手と作り手の関係性を再構築しています。職人が持つ技術や情熱が、製品一つ一つに注がれ、それが使用する度に感じられることが大切です。

地域の技と文化をつなぐ

日本各地の職人技を集約するクラフトシップスは、ただ商品を作るだけではなく、地域に密着した文化の継承に力を入れています。高岡の箔押し技術や、鯖江の吹付塗装など、各地域に特有の技がどのように製品に生かされるのか、そのプロセスを大切にしながら仕事を進めています。
この地域の文化や技術を反映させることは、持続可能性の観点からも重要です。なぜなら、これらの技術が日常で使われるものに息づくことによって、より深い理解と愛着が育まれるからです。

国境を越える共創

クラフトシップスは、北欧の家具やグローバルに人気のある自転車、スニーカーといった製品に、日本の職人技術を融合させることに挑戦しています。これにより、単に視覚的な美しさだけでなく、使用することで感じる心地よさも提供できる製品が生まれます。

プロジェクトの背景には、「人と文化のつながり」があります。環境に馴染むデザイン、そして何よりも「手にとって感じられるもの」としての価値が追求されています。

未来を築く為に

最終的に、この取り組みは新たなデザインの可能性を広げ、消費文化からの脱却を目指すものです。「使い継ぐ」ための理由を持つ製品を通じて、愛着を育み、手仕事の未来を築いていく重要性が再認識されているのです。

これからの時代には、モノの背後にあるストーリーや職人の情熱が、一層重要になっていくことでしょう。日常の中で、そんな製品を選び、使い続けることが、地域の文化を守りながら、新たな価値を創造する道となります。

次回は、具体的な製品を紹介し、職人技とブランドの共創がどのように日常に根付いているのかを深掘りしていきます。