キリンホールディングス、世界初の免疫細胞可視化技術を発見

免疫細胞の可視化技術発見

最近、キリンホールディングス株式会社のヘルスサイエンス研究所は、和歌山県立医科大学とNPO法人ヘルスプロモーション研究センターと共同で、尿中の因子を用いて免疫細胞であるプラズマサイトイド樹状細胞（pDC）の活性を可視化するという画期的な研究成果を発表しました。この研究は、慢性感染症や新型コロナウイルス感染症のような様々なウイルスに対する対策として、免疫の状態を簡単に測る指標の確立を目的に行われました。

研究の背景と目的

免疫系は私たちの健康を守る重要な役割を果たしていますが、特にpDCはウイルス感染防御において中心的な役割を担っています。しかし、これまでのpDC活性の測定は採血を要し、手間とコストがかかっていました。本研究では、非侵襲的で手軽にpDC活性を評価できる方法を見つけるため、尿中のタンパク質やmiRNAに焦点を当てました。

研究方法

2022年11月、和歌山県にて223名の参加者を対象に特定健診が行われました。その中からpDC活性が高いグループ（上位25%）、低いグループ（下位25%）からそれぞれ20名を選抜し、彼らの尿中のタンパク質および非コーディングRNAについて詳細な分析を行いました。この研究により、7,000種類以上のタンパク質の中から、pDC活性が高い人と低い人の間で差が見られる115種類のタンパク質と、70,000種類以上の非コーディングRNAの中から96種類を発見しました。

研究成果

この研究の結果、pDC活性が高い人は、免疫グロブリンA（IgA）を含む多くの免疫関連タンパク質が尿中で高い割合で存在することが確認されました。このことにより、pDC活性と尿中因子の関連性が明らかになり、今後pDC活性を非侵襲的に評価する新たな方法の開発が期待されます。

免疫ケアの重要性

感染症対策においては、健康な免疫系が基盤となります。キリンホールディングスは、健康を維持するための免疫ケア、つまりバランスの取れた食事や適度な運動、十分な睡眠を重視することが重要だと考えています。この研究成果は、自分自身の健康状態を把握し、より良い生活を送るための手助けとなるでしょう。

今後の展望

本研究の結果は、2025年9月に発表され、免疫の状態を分かりやすく可視化する新しい検査サービスの開発につながる可能性があります。健康長寿社会を目指す中で、個々の免疫状態を知り、向上させることは、私たちの生活を豊かにする一助となるでしょう。

キリンホールディングスは、人と自然を見つめる姿勢で、今後も「食と健康」の新たな喜びを創造し続けます。