新たな映像表現「The Unseen Beauty」
最近、CULTURE TRADING COMPANYの「SHIKI INC.」と日本テレビが共同プロジェクトを立ち上げ、生成AIを駆使した新たな映像表現を公開しました。その名も『The Unseen Beauty』。このプロジェクトは、視覚に頼ることなく、知覚や感性の世界に目を向け、障害当事者たちの個性を引き出し、彼らの社会参加の機会を広げることを目指しています。
このプロジェクトには、視覚障害を持つ4名の監督が参加し、彼らが音から思い描くイメージを言語化し、生成AIの力を借りて映像に変えていきました。題材として、ヒューマンビートボックスクルー「SARUKANI」の楽曲『CROWN』が使われ、各参加者の解釈を基にストーリーが構築されています。音と映像が相互に影響し合いながら、新たな表現を模索する試みとなっています。
プロジェクトの目的と背景
『The Unseen Beauty』は、視覚障害者が生成AIを利用して自らの世界観を映像化することで、新しいクリエイティブの可能性を追求するプロジェクトです。参加者たちは、それぞれが持つ独自の感性をフルに活かし、知覚を超えた感情や存在の様子を表現しました。これまでにはなかった視点から展開されるこのプロジェクトにより、視覚障害を持つ方々のクリエイティビティが再評価されることを期待しています。
ミュージックビデオは、2023年4月8日からSARUKANIの公式YouTubeチャンネルや特設サイトで公開されています。映像プロセスは次のように進みました。
1. アーティストの楽曲を、視覚以外の知覚や感性から解釈。
2. 解釈したストーリーを基に生成AIを用いて映像化。
3. 映像世界に合わせて楽曲を改編。
4. ミュージックビデオとして公開。
作品の概要とコンセプト
ミュージックビデオ『CROWN(Water Remix)』は、視覚障害者であるeスポーツプレイヤー、声優、エンジニアなど、異なるバックグラウンドを持つ4名によって監督されました。それぞれの視点や感性を反映させながら、音楽と映像を融合させたこの作品は、大変リリカルで視覚ではなく感性で感じることができる新たな芸術形態となっています。
作品のコンセプトは「水」に関連しており、水が持つ形のない存在や変化を通して、人間の感情や生き様を描写しています。『CROWN(Water Remix)』の中では、水の変化を通して、人の存在は不変ではなく、変動し続けることがテーマとなっています。これは、視覚障害者も含めたすべての人に共通するメッセージとして届けられています。
このように、本プロジェクトは新たな表現の地平を切り拓き、視覚的な制限を超えて多様な感性を引き出すことに成功しています。参加者の意見によると、障害のある方々が特有の見方を提供することで、より豊かで包括的なアートが生まれる可能性があります。生成AIのさらなる進化が期待される中、今後どのようなクリエイティブな表現が現れるのか、目が離せません。
参加者やアーティストについて
本プロジェクトには、ePARAに所属する視覚障害者のアーティストたちが参加しており、彼らのプロフィールや活動は多岐にわたります。北村直也(eスポーツプレイヤー・エンジニア)、関場理生(俳優・劇作家)、西脇有希(声楽家)、藤本昌宏(クリエイター)など、それぞれが独自の分野で活動し、視覚障害者としての視点を生かした作品に取り組んでいます。彼らはこのプロジェクトを通じて、今後の可能性が広がることを期待しています。
新しい映像表現の扉を開く『The Unseen Beauty』、ぜひ一度ご覧ください。
ミュージックビデオ視聴リンク
楽曲配信リンク