インターブランドジャパンが「The Numbered」で受賞
日本のブランディング界で注目を集めているインターブランドジャパンが、ユニークなプロジェクト「The Numbered」で名誉あるRed Dot Design Award 2025を受賞しました。この受賞により、同社のブランディング戦略が国際的に認められることとなりました。
プロジェクト「The Numbered」とは?
「The Numbered」は、株式会社ケーアイ・オギワラが展開する新たなブランドで、主に生鮮きのこの生産を行っています。長野県中野市の豊かな農地を活かして、農業従事者の高齢化が進む中でも、新たな品目としてシャインマスカットなどのぶどうを栽培するまでに成長を遂げました。プロジェクトが開始された背景には、耕作放棄地の増加という地域問題があります。そこで、ケーアイ・オギワラは、古い農地を引き継ぎ、社会的な意義を持つ新しい試みに挑戦。農産物をブランド化することで、地域の話題づくりや生産者の働きがいを引き上げる狙いがあります。
品質にこだわったブランド名「The Numbered」
プロジェクトのスタート時、選ばれたのは、数種類のぶどうでした。特筆すべきは「全体生産量の上位1%のみを出荷する」という品質と希少性に重点を置いたコンセプトです。このコンセプトがそのままブランド名となった「The Numbered」にも体現されています。商品には、糖度、酸度、果実の張りという三つの要素が厳格に計測され、一房ごとにそのデータがカードに記されます。こうした手法により、顧客に対して品質の透明性が提供され、単なる農産品ではなく、特別な存在としての印象を強めています。
ユニークなパッケージデザイン
また、パッケージデザインにもこの「見える化」のアイデアが反映されています。パッケージの透ける部分にこだわり、消費者が中の房の状態を簡単に確認できるようになっています。これにより、視覚的に楽しむことができる1点ものの嗜好品としての魅力を引き立てています。この新しいアプローチが、Red Dot Design Awardで評価された要因の一つとされています。
プロジェクトの成果と地域貢献
プロジェクト開始から、長野県中野市の遊休荒廃農地の整備も進められ、66,132㎡が整備農地として活用されるようになりました。この活動は地域全体の耕作放棄地の再生にも貢献しており、2023年にはクラウドファンディングを通じてのテスト販売が目標の500%を達成するという驚異的な成果も上げました。
Red Dot Design Awardについて
この賞は、国際的なデザイン賞の一つで、世界中のデザイン専門家によって評価されます。毎年世界中から20,000件以上の応募があり、受賞作品はRed Dot Design Museumや特別な年鑑で展示されることでも知られています。
インターブランドのビジョン
インターブランドジャパンは、1974年の設立から40年以上にわたり、魅力あるブランドを築くための支援を行っています。彼らの戦略は、顧客視点を大切にし、ビジネス成功に導くことに重点を置いています。今回の受賞を通じて、その確かな手法と新たな取り組みが再評価されることとなりました。
まとめ
インターブランドジャパンと「The Numbered」の成功は、地域に根付いた新たな価値の創造を示しています。今後の展開から目が離せません。