食品ロス削減に向けた新たな挑戦
6月21日から3日間、茨城県の霞ヶ浦高校で開催された文化祭「帆掛祭」です。そこで行われたのが、高校生たちによる廃棄レンコンを使用した蓮根チップスの販売です。この取り組みは、合同会社ハスラボの協力のもと、探究学習を通じて大きな社会問題に向き合った学生たちの努力が光る試みとなりました。
取り組みの背景
茨城県は、日本一のレンコン生産地でありながら、見た目が整っていないことを理由に、毎年多くのレンコンが廃棄されています。この現実に目を向け、廃棄レンコンの活用法を模索したのが、合同会社ハスラボです。彼らは「HASKO」と名付けたアップサイクルブランドで、規格外とされるレンコンに新たな価値を与えるための活動を続けています。
霞ヶ浦高校の探究高校生団体「Froot’s」は、「蓮で繋がれんこんプロジェクト」として地域の食品ロス問題に取り組みました。学生たちは、農業を単なる産業ではなく、地域の持つ資源の活用という視点から発想を広げ、廃棄されるレンコンを見直し、新たな商品を開発することに挑戦しました。
帆掛祭での蓮根チップス販売
「Froot’s」チームが開発した蓮根チップスは、廃棄されるレンコンを使用し、カレー味の新しい味わいとして仕上がりました。また、焼菓子家 泉とのコラボで、HASKOの素材を使ったロッククッキーも販売されました。文化祭の会場では、来場者にも食品ロス削減の重要性が伝えられ、地域の農業課題への関心を深める良い機会となりました。
教育的な意義
このプロジェクトを通じて、高校生たちは以下のような貴重な学びを得ることができました:
- - 農業現場の課題理解:廃棄の理由が形やサイズであることを知り、実際の農業が抱える問題に理解を深めました。
- - アップサイクルの実践:廃棄食材をいかに価値ある商品に変えるか、そのプロセスを実践を通して学びました。
- - 社会課題解決への意識:SDGsの目標のひとつである「つくる責任、つかう責任」を体現することの重要性を理解しました。
- - 地域との連携:文化祭を通じて、地域住民に啓発する機会を得ました。
未来への展開
合同会社ハスラボは、今回の取り組みを基に、今後さらに以下の活動を進めていく方針です:
- - 教育機関との連携促進:他の高校や大学と協力し、更なるプロジェクトを展開。
- - アップサイクル教育プログラムの導入:食品ロス削減をテーマにしたカリキュラムを整備します。
- - 地域課題解決型学習の支援:農業と教育を結びつける新しいモデルを構築。
- - 持続可能な農業の奨励:規格外の野菜を有効活用するシステムを確立。
若者たちの柔軟な発想で地域の資源を活かし、持続可能な未来に向かって進んでいく彼らの姿は、多くの人に希望を与えました。今後の彼らの活動にもぜひ注目していきたいですね。