AIとレビューがコスメ選びに与える影響
最近、私たちの生活にAIや対話型技術が浸透してきた結果、化粧品選びの元となる情報収集や判断基準にも変化が生じています。株式会社アイスタイルと電通マクロミルインサイトが共催したウェビナーでは、Z世代やミレニアル世代を含む様々な世代の購買行動を最新のデータから分析しました。
1. クチコミとAIの位置付け
調査結果によると、@cosmeにおけるクチコミの中で「AI」という言葉の出現は前年同月比で4.3倍とも言われています。これは、消費者にとってAIが非常に身近な存在になってきたことを示しています。しかし、実際の購入過程でのAIの利用率は比較的低く、特にZ世代においても「知る」と「興味を持つきっかけ」では15.9%、購入決定では9.5%といった具合です。
消費者はAIを情報源としつつも、特に美容商品についてはクチコミやレビューを重視しており、実際の体験談を基にした判断が多いようです。
2. クチコミの力
調査によると、消費者の40.2%がクチコミ・レビューを最も参考にしていると回答しています。AIの情報を重視する人はわずか8.4%、インフルエンサーの情報は4.8%に過ぎません。クチコミは、他者のリアルな体験や意見が載っているため、消費者が信頼を寄せているのでしょう。
これは特に若年層に顕著で、最近の調査でSNSやYouTubeで「バズっている」商品が減少していることも、彼らがクチコミを重視する姿勢を反映しています。
3. 世代別の調査インサイト
調査では年代ごとに消費者がAIを利用する際のスタイルに特徴が見られました。
- - 10代:AIを初めてメイクの相談をする相手として利用
- - 20代:自分の肌質を元にAIで最適な商品を探す
- - 30代:具体的な条件をもとにAIに相談し、商品選びを行う
- - 40代・50代:美容部員に相談しにくい悩みをAIに尋ねて選択する
このように、年齢と共にAIとの接し方が進化していると言えます。
4. AIと美容部員の共存
興味深いのは、クチコミ内でAIを「購入前の比較」だけでなく「購入後のサポート」に使用した体験も報告されています。あるユーザーは、グラデーションがうまくいかないアイシャドウの使い方をAIに提案してもらい、満足度を向上させたと言います。これまで顧客が美容部員に行っていた相談をAIが補う形で、両者は共存関係を築いているようです。
5. 科学的根拠の重要性
AIの普及は、化粧品ブランドの情報提供の仕方にも影響を与えています。従来であれば難解だった研究データや科学的根拠も、AIを通じて一般の消費者にわかりやすく説明される傾向があります。購入後の顧客が、使用感の理由をAIに尋ねることで、納得感を持って商品を継続利用するケースが増えているようです。
AI時代のコスメ選びについて
このような調査を通じて、今後の化粧品ブランドはAI時代に対応した情報発信を行い、クチコミやレビューの重要性を再認識する必要があります。消費者は多面的に情報を収集し、リアルな意見とAIの情報を組み合わせて賢く選択しています。将来的には、生活者が求める情報の質や量によって、より魅力的なブランドが選ばれることが予想されます。
今回の調査内容は、AI技術が化粧品業界に与える影響を探る上で貴重なデータとなります。AIの利用状況を考慮しつつ、クチコミやレビューの重要性を見逃さないことこそが、これからの選ばれるブランドにつながるのです。