六本木ヒルズで実施されるEFポリマーの実証実験
六本木ヒルズのハリウッド本社ガーデンでは、沖縄科学技術大学院大学(OIST)が立ち上げた環境ベンチャー、EF Polymer株式会社による100%植物性の保水剤『EFポリマー』の実証実験が、1月21日にスタートしました。この取り組みは都市部の植栽管理に新たな可能性をもたらすものとして注目されています。
EFポリマーとは
EFポリマーは、土壌中の水分と肥料を効率よく吸収し、植物が必要とする時にゆっくりと放出する保水剤です。この製品はオレンジやバナナの皮といった、従来は廃棄されてきた材料をアップサイクルして作られており、環境への配慮と持続可能な農業を目指しています。
特徴と効果
この保水剤の導入により、バルコニーの植栽が抱える水やりの手間を軽減し、特に異常気象における水不足に対する対策として期待が高まっています。設計されている機能には、保水力や保肥力の向上、土壌改良、団粒構造化、完全生分解性が含まれます。これにより、散水水量が約40%節水され、省肥料化も実現します。
環境問題への貢献
EF Polymer株式会社は、ディープテックスタートアップとして、インドで生まれ、沖縄で育った企業です。彼らは自然由来の材料を用いて持続可能な技術を提供し、水不足を中心とした環境問題の解決に向けた努力を続けています。EFポリマーは、完全生分解性を持ち、土に還る過程で植物の健康をさらに促進するよう設計されています。
新しい緑化モデルの確立
また、東京都が推進する「ヒートアイランド現象の緩和」にももちろん寄与することが期待されていて、都市部でのエコロジカルな緑化が加速することになるでしょう。今後、EFポリマーの導入・実証実験は、数多くの企業や自治体において新しいモデルケースとして採用される可能性があります。
創業者の理念と自然との調和
六本木ヒルズにあるハリウッド株式会社がEFポリマーを採用した背景には、同社の創業者である牛山清人とメイ・ウシヤマ夫妻の自然を重んじる理念が息づいています。彼らは自宅の庭を大切にし、季節の食材を取り入れた独自の美容理論を構築していきました。彼らが築いた自然との共生は、現在のハリウッドビューティプラザにも受け継がれており、当時の植栽も一部再現されています。
まとめ
EFポリマーの取り組みは、環境への負荷を軽減しつつ、都市部での持続可能な緑化を実現するための新たな一歩として、多くの注目を集めています。都市生活の中でも自然を感じられる環境作りに向けた努力が、今後どのように発展していくのか、期待が高まります。