小規模店舗を救うAI『口コミロボ™』の誕生と挑戦

大阪府豊中市に本社を構えるSweetLeap株式会社、通称アドキタは、地域の小規模店舗を支援する広告代理店として知られています。代表の石谷太志氏は、数多くの店主たちの心に響く声を聞いてきました。「本当に良いものを提供している自信はあるが、集客に手が回らない」という切実な悩みが、その背景にはあります。これに応える形で開発されたのが、AIサービス『口コミロボ™』です。

【開発の背景】職人としての経験と現実の厳しさ

石谷氏自身が和菓子職人としての経験を持つことから、彼の課題感は非常に具体的です。彼はかつて、心を込めて和菓子を作り、ひたすらお客様の「美味しい」という一言を楽しみに厨房に立っていました。しかし、集客活動に追われることで、製造の時間が奪われるもどかしさを痛感していたのです。この経験が、彼が集客支援の重要性を理解する大きなきっかけとなりました。

その後、彼は広告代理店を立ち上げ、小規模店舗のサポートに情熱を注ぎました。多くの店主と接する中で、優れた商品やサービスを持ちながらも集客に苦しむ店舗を目の当たりにし、自身の経験を生かした新たな解決策が必要だと感じるようになりました。こうした思いが『口コミロボ™』の開発につながったのです。

【AIの力を借りた新たなアプローチ】

『口コミロボ™』は、店主の集客業務からの解放を目指した革新的なツールです。このシステムは、来店客が30秒で済む簡単なアンケートに答えるだけで、AIがその意見をもとに実際の口コミを自動生成します。これによって、お客様は手軽に「応援したい」という気持ちを伝えることができ、店主はその声を受けてサービスの質を向上させることが可能になります。

このプロセスを通じて、生まれるのは単なる顧客の評価ではなく、誠実なコミュニケーションの連鎖です。また、先行して導入された店舗では、平均売上が1.7倍に増加するという成果も出ています。これは、店主が本来の業務に集中できた結果だと、SweetLeapは考えています。

【『Dream Pitch』への挑戦】

来る12月17日と18日に行われるスタートアップの登竜門である「Dream Pitch」において、石谷氏は『口コミロボ™』を披露します。この登壇に際して彼が伝えたいのは、「頑張りが報われる社会を実現する」という思いです。集客の力ではなく、質の高い商品やサービスが顧客によって評価される未来を目指しています。

石谷氏は、かつての職人として、そして今は支援者として、「本当に良いものを提供する店舗がその価値に見合った評価を得られる社会」を実現することを強く願っています。このビジョンが、同じ悩みを抱える店舗に希望を与えることを期待しています。