ブルネロ クチネリ表参道での特別展
2025年11月15日から2026年1月31日まで、東京・表参道のブルネロ クチネリ店舗地下2階のアートスペースでは、特別展示「The Art of Akagi - INCONTRO CON L’ARTISTA」が開催されます。この展示では、塗師・赤木明登氏が手がけた特別作品が紹介され、観る人々に深い感動を与えます。
能登プロジェクトの意義
2024年に発生した能登半島地震の影響を受け、ブルネロ クチネリ ジャパン株式会社は「能登プロジェクト」を始動しました。このプロジェクトは、地震でダメージを受けた地域への支援だけでなく、日本の伝統工芸である輪島塗の再生にも繋がっています。特に、イタリアのクラフツマンシップを重んじる同社が、日本の職人技術を尊重する姿勢は、多くの人々にとって共感を呼ぶものでしょう。
赤木氏の作品へのこだわり
展示される赤木氏の作品には、イタリア語で「垂直の」を意味する“verticale(ヴェルティカーレ)”と、「水平の」を意味する“orizzontale(オリッツォンターレ)”の2つの名前がつけられています。これらの作品は、輪島塗の原点や現在の工藝、さらには未来への展望を語りかけてきます。
赤木氏は自身の視点を通じて、輪島塗が数世代にわたる職人たちによって培われてきた歴史や、同時代を生きる職人同士の繋がりの重要性も表現しています。そして、作品に含まれる「工藝」の概念は、輪島での生活が育んできた自然や文化、さらには宗教的な畏敬の念といった深いテーマにも及んでいます。
自然と文化の共生
赤木氏が創り出す作品には、森羅万象に対する敬意が込められており、その姿勢はブルネロ・クチネリの哲学にも通じます。両者は、自然や文化との共生を常に考え、そこから生まれるクリエイティブな発想を大切にしています。また、輪島塗が抱える伝統的な分業制や、木地師たちの重要性についても触れ、赤木氏の輪島塗への情熱が伝わってきます。
作品に込められた想い
実は、この作品は赤木氏が1年前にブルネロ クチネリの表参道店を訪れた際に感じたインスピレーションを形にしたものでもあります。この出会いが、どのようにして新たな作品への創造につながったのかを考えると、まさにアートの力を感じます。
赤木氏の作品は、その美しさだけではなく、漆の質感や温かさを直接感じることができるため、参加者はその本質をじっくりと味わうことができます。特に“verticale”は、ブルネロ クチネリ特有のニュートラルカラーや柔らかいグレーの魅力を引き立てています。
ぜひご覧ください
今回の特別展示では、作品をただ見るだけではなく、触れることもできる貴重な機会です。ぜひ足を運び、赤木明登氏の繊細な手仕事と、輪島塗の奥深い世界を感じてみてください。美術と工芸が融合したこの特別な場所で、心に残る体験が待っています。