築野食品が「製品力賞」を受賞
最近、講演会や展示会などで見る機会が増えた「ifia/HFE JAPAN 2025」で、築野食品工業が見事に『製品力賞』を受賞しました。これは日本国内で開催される最大規模の食品素材展示会で、今年で30回目の開催となるこのアワードは、来場者の投票によって決まります。今回は、米ぬか由来の機能性素材が大きな評価を受けた背景について詳しく掘り下げていきます。
「米ぬかを科学する。」ブースの魅力
築野食品のブースでは「米ぬかを科学する。」というテーマのもと、やわらかくデザインされた展示が特徴です。お米由来の天然成分からなる素材の優れた機能性を体験できる試食コーナーも用意され、来場者は直接その魅力に触れることができました。このように、ただの展示会ではなく、製品の特性を体感できる工夫が随所に施されています。
機能性素材の具体的な効果
展示された素材は、米ぬかの力を活かし、さまざまな健康効果をもたらします。以下にその代表的な機能を紹介します。
コレステロール低下と女性機能の正常化
イノシトールという素材は、心血管疾患や動脈硬化を抑制し、脳卒中のリスク低減に貢献します。また、女性特有のホルモンバランスを整える役割も持ち、正常な卵子を増やす効果もあると言われています。
pH調整と退色防止
フィチン酸は、クエン酸の半分の量でpHを調整でき、低酸味を実現します。さらに、野菜や果物の退色を防ぐ効果を持つため、食品の見栄えを保つことができます。
脳機能改善
フェルラ酸は、神経細胞の神経突起を伸ばすことにより、脳の神経ネットワークを形成します。ヒトに摂取されることで認知効果も向上するとされています。
風味を引き立てる素材
ライステロールエステルは、塩味やコクを増すことができ、動物性の風味にも近づけられる特性を持っています。調味料の香りを強化し、料理の味わいを豊かにします。
メンタルケアも
ライスマグネシウムは、うつ症状の改善に作用し、精神を安定させる効果があります。また、睡眠の質を改善する効果も期待されています。
ifia JAPANの重要性
この展示会は食品化学新聞社が主催し、食品業界の最新情報や素材を一堂に集めています。毎年、食品の美味しさと安全性を追求する専門家が一同に集まる場でもあり、築野食品をはじめとする多くの企業が新たな技術や知識を共有しています。
築野グループの取り組み
築野グループ株式会社は長年にわたり、米ぬかに着目した研究を続けてきました。精米段階で発生する米ぬかを材料に、こめ油、ファインケミカル、オレオケミカルといった様々な事業を展開しています。これにより、可食部だけでなく副産物をも活用し、幅広い分野における有効利用を追求。また、廃食用油のリサイクルにも取り組み、持続可能な社会へ向けた循環型経済の構築を目指しています。
今後も築野食品は、地球環境や生産者、消費者にとって真に価値のある製品を提供し、持続可能な社会の実現に貢献していくことでしょう。