生活苦に直面する子育て家庭の実態
子育てをする家庭が直面している生活苦は、特に昨今の物価高騰によってより深刻な状況にあります。この問題を把握すべく、認定NPO法人セカンドハーベスト京都は「こども支援プロジェクト」を2024年度冬休みに実施し、生活実態調査を行いました。このプロジェクトは、学校給食がない長期休暇中に、就学援助を受けている子育て家庭に食品を無料で提供するものです。今年度で7年目を迎え、これまでの支援の成果と課題を浮き彫りにする絶好の機会となっています。
調査の背景
調査は、2024年12月21日から2025年1月15日までの期間に、主にオンラインで実施されました。対象は京都府内の子育て家庭1000件、結果として158件の回答が集まりました。この調査は、京都大学大学院人間・環境学研究科の柴田教授がデータレビューを行い、信頼性のある結果が得られました。
調査結果の概要
主な結果として、母子世帯の収入状況が厳しいことが明らかになりました。手取り収入が21万円以上の母子世帯はわずか25%と、78%の母子世帯が20万円以下の収入で生活しています。正規雇用率も低く、収入がコロナ禍から回復していない現状が浮かび上がりました。
さらに、生活費の高騰に対処するため、回答者の約9割が節約に取り組んでいます。具体的には、食費を抑えるために品数を減らす、冷暖房の使用を控える、おかわりをなしにするなどの工夫が見られました。「余裕がない」との表現は多くの回答に共通しており、家計が厳しい状況にあることが伝わってきます。
体験の格差と支援の必要性
調査結果では、子どもに習い事をさせていない家庭が全体の約2割に上り、その理由として経済的理由が圧倒的であることがわかりました。体験活動ができる家庭でも、「できるだけ自宅で行えることを探している」という意見が多く、親たちが日々の生活に追われる中で、時間的・体力的な疲労も大きな要因となっています。これは、将来的な学習能力や社会的スキルに悪影響を与える懸念があります。
また、食事の栄養を考えた提供ができていない家庭が約40%あることも深刻な問題で、育ち盛りの子どもたちへの影響が懸念されます。現在の支援制度では、特に困窮家庭への情報提供が不足しているとの声も多く聞かれました。
まとめとしての支援活動の重要性
セカンドハーベスト京都の「こども支援プロジェクト」は、このような困難な家庭に対し、試みと努力を続けています。毎年1,200件の家庭へ支援食品を提供し、家庭の負担を軽減することが未来への投資となると信じています。このような支援が、貧困の連鎖を断ち切り、希望をもたらす手助けになることでしょう。
調査結果はまだまだ多くの課題を残しますが、必要な支援制度が充実し、自治体や政府がこの声に耳を傾け、効果的な施策を講じることが期待されます。困窮家庭の実情を知ることで、私たち一人ひとりができる支援のあり方についても考えていく必要があります。