2025年大阪・関西万博での資生堂の新たな挑戦
2025年4月に開催される大阪・関西万博にて、資生堂が藻類を利用したスキンケア化粧品のプロトタイプ「ビジョンプロダクト」を初披露します。このプロトタイプは、資生堂が参加するちとせグループ主導のMATSURIプロジェクトの一環として開発されました。このプロジェクトは、石油資源に代わる新しい産業構築を目指し、バイオエコノミーを促進する取り組みです。
藻類の持つ無限の可能性
資生堂が藻類に注目した理由は、彼らが持つ生命力や繁殖力にあります。太古の時代から地球に存在し、環境への適応力が高い藻類は、持続可能な資源としての無限の可能性を秘めています。1872年の創業以来、資生堂は「アートとサイエンスの融合」を掲げ、その理念を基に持続可能なプレミアム化粧品の開発に努めています。
ビジョンプロダクトの特徴
2025年大阪万博では、「美の玉」と名づけられた2つの製品が展示されます。これらの製品は、日本古来の美的観念を反映し、自然への敬意を込めたデザインが特徴です。
1.
美の玉 まがたま
このスキンケアクリームは、自然の恵みをテーマにしたプロトタイプです。昆布などの褐藻類から抽出したゼリー状の多糖類を使い、膜形成技術を応用しています。手のひらで軽く潰すことで、そのクリームエッセンスが溢れ出し、心地よいひとときを味わえます。
2.
美の玉 しずく
美容液として開発されたこの製品は、藻類の美しさを海の色を表現した小さなビーズで包み込んでいます。資生堂のリピッドシェル技術を駆使し、藻類由来のオイルを安定させつつ、美容成分が肌に優しくなじみます。
サステナビリティへの取り組み
資生堂は「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」という企業使命のもと、人々の肌だけでなく、自然環境をも守る化粧品の開発に取り組んでいます。MATSURIプロジェクトに参画し、美しい社会と地球の持続可能な発展に貢献することが目標です。また、2023年7月にはちとせグループと戦略協業契約を締結し、藻類の活用を進めています。
今後の展望
資生堂が展開するビジョンプロダクトは、単なる化粧品の枠を超えて、自然や地球への敬意を表現したものです。今後も藻類をベースにした新たなスキンケアの開発や、サステナブルな包装の実現に向けた取り組みが期待されます。2025年の大阪・関西万博で、資生堂の最新技術と哲学を体験できることは、私たちにとっても大きな期待を抱かせます。未来の美に向けた資生堂の挑戦から目が離せません。