広島で開催された「ブラインドメイク体験」セミナー
8月10日、広島市において、視覚障害者を対象とした『ブラインドメイク体験セミナー』が盛況の内に実施されました。 このイベントは、一般社団法人日本ケアメイク協会の協力を得て、視覚障害者支援団体『視覚障害者の自立をすすめる会』が企画したものです。
ブラインドメイクとは?
ブラインドメイクは、視覚に障害を持つ方が鏡を使わず、自分自身でフルメイクを楽しむための技法です。この画期的な技術は2010年に大石華法氏によって考案され、今では多くの方々に活用されています。メイクが日々の生活の質(QOL)を向上させる効果があることに注目しており、参加者が自信を持って美しさを体験できるようサポートしています。
現在、日本国内には約30万人の視覚障害者が存在し、さらに生活の中で視力に悩む約160万人の方々もいます。それゆえ、ブラインドメイクの重要性はますます高まりつつあります。
セミナーの目的
今回のセミナーでは、視覚に障害を持つ方々に向けて、ブラインドメイクの楽しさや可能性を再発見してもらい、美容を通じた自己表現の喜びを感じてもらうことを目的としています。また、ブラインドメイクに関する情報を広く知ってもらい、必要とする方々に届くきっかけになることを願っています。
セミナーの概要
- - イベント名: 鏡を見なくてもできる新しいお化粧の文化、「ブラインドメイクを体験してみよう」
- - 開催日時: 2025年8月10日(日) 13:00~16:00
- - 会場: ビッグフロント広島 6階ボランティア研修室
- - 参加費: 無料
- - 講師: 山根美紀恵(日本ケアメイク協会化粧訓練士)
- - 主催: 視覚障害者の自立をすすめる会
- - 協力: 一般社団法人日本ケアメイク協会
- - 申し込み: 不要
講師のご紹介
講師を務めたのは、広島市在住の山根美紀恵さんです。彼女は日本ケアメイク協会の理事であり、薬剤師でもあります。また、広島障害者職業能力開発校にて非常勤講師としても活動しています。彼女は、ブラインドメイクを通して、多くの方々に笑顔を届けたいという思いを持っており、自立と美の確立を支援することに情熱を注いでいます。
当日の様子
セミナー当日は、男女合わせて18名の参加者が集まりました。最初に協会の紹介とブラインドメイクの意義についてのプレゼンテーションが行われました。続いて、参加者が実際にメイクを体験する時間となりました。
初めに、スキンケアの重要性や手法について説明した後、リップやチークの塗り方を実践しました。特に男性の皆さんも無色のリップバームを使用して、楽しみながらチャレンジしていました。皆さんはとても真剣に取り組み、その様子は非常に和やかなものでした。
体験後には、感想をシェアする時間が設けられ、参加者同士の交流も深まりました。多くの方が自分の見た目への新たな自信を感じている様子が印象的でした。
参加者の感想
参加者の中には、次のような声が寄せられました。
- - 「自分のくちびるのかたちを思い出せた!」
- - 「女性もいつまでもきれいでありたいという気持ちが分かりました。」
- - 「ブラインドメイクでできることが増えて嬉しい!」
要するに、視覚障害を持っていながらも、美しさやおしゃれを楽しむことができる可能性を実感した瞬間が、参加者全体に広がっていました。
今後の展望
日本ケアメイク協会は、今後も様々なイベントやセミナーを通じて、ブラインドメイクの普及に努めていく予定です。視覚障害者の方々が自信を持って美を楽しめる社会を目指し、活動を続けてまいります。これからも、「見えない美」が広がることを期待しましょう!