笑いを武器に、若者たちに自信を取り戻す
特定非営利活動法人サンカクシャが新たに始めた取り組み、「スポットライト」。このプロジェクトは、経済的に困窮している若者たちのコミュニケーション能力向上と自己肯定感の育成を目指したお笑いイベントです。若者たちがプロの芸人と共にコントに挑戦することで、笑いを通じて自己表現し、彼ら自身の存在を感じてもらう機会を創出しました。
開催の背景
サンカクシャの活動拠点である「サンカクキチ」では、10代後半から20代前半の若者たちが集まります。ここでは日常の悩みや不安を話し合い、遊びを通じて過ごしていますが、彼らの多くが「人と話すのが苦手」「自分に自信がない」といった共通の課題を抱えていることが見えてきました。そこで登場したのが、この「スポットライト」というプロジェクトです。
この取り組みを企画したのは、元芸人であるサンカクシャスタッフの寺中さん。彼自身が人前でのパフォーマンス経験から、笑うだけでなく、笑わせる経験が自己肯定感を育むことを確信したのです。社会的にスポットライトが当たりにくい若者たちにエンターテインメントを通じて存在感を示してほしいとの思いから、チャリティお笑いイベントが生まれました。
イベントの詳細
2025年3月15日、池袋ムーブメントで行われた第一回イベントでは、コント集団「ファトラン」のウラノタツヤさんが演出を担当。漫才新人大賞を受賞したおちもり(浅井企画)や、テレビ番組のレギュラーを持つセンチネル(太田プロ所属)という実力派芸人たちが出演し、観客を笑いの渦に巻き込みました。さらに、約1か月にわたって稽古に励んだ若者たちが、プロの芸人と共同で作り上げたコントも披露され、会場は活気に満ち溢れました。
若者たちの変化
イベント後、参加した若者たちはそれぞれの変化を実感し、自分の言葉で「出てよかった」と語りました。中には「人と話すのが苦ではなくなった」と話す参加者もおり、舞台で得た安心感が彼らの日常のコミュニケーションにも良い影響を与えたことが分かります。このように、お笑いの力は若者たちに新たな自分を見つける助けをしているのです。
今後の展望
お笑いには、できないことを笑いに変える力があります。自己表現に不安を抱える若者たちにとって、お笑いの舞台は自分を見つめ直す機会を提供します。第一回の成功を受けて、サンカクシャは第二回の開催を予定しており、若者たちが未来への一歩を踏み出す力を信じてサポートを続けていきます。
次回開催情報
日時: 2025年7月5日(土) 13:00-14:30(12:40開場)
場所: 大塚ドリームシアター
〒170-0004 東京都豊島区北大塚2丁目7-11 B1
アクセスマップ
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サンカクシャは、親や身近な大人を頼れない15〜25歳の若者たちが孤立することなく、自立への一歩を踏み出せるよう様々な支援を行っています。「居場所」「住まい」「仕事」の3つの柱で、若者たちが社会と繋がり、自分らしく生きる手助けを目指しています。