汗で身体を知る
2025-01-14 14:26:15

汗を使った非侵襲的健康評価法の確立を目指す新共同研究プロジェクト

画期的な共同研究がスタート!



株式会社PITTANと大阪大学大学院基礎工学研究科は、老化や炎症メカニズムを解明するための3次元培養表皮モデルを用いた共同研究を開始しました。このプロジェクトは、微量な汗を分析し、体内の栄養状態を可視化することで、健康状態の把握を目指します。

研究の目的と意義



この共同研究の主な目的は、皮膚組織からの分泌物質の変化を解明することです。具体的には、汗を通じた老化評価手法を確立し、運動時に筋肉から分泌されるマイオカインを汗中で検出できる手法を開発します。これにより、簡単な汗分析から得られる健康情報の幅が広がり、さらに予防医療にも貢献できる可能性があります。

健康に役立つマイオカイン



運動によって分泌されるマイオカインは、抗炎症作用や代謝調節に重要な役割を果たします。IL-6やIL-15といったマイオカインは、筋力トレーニングによってその生成が促進され、全身の代謝機能の改善と関連しています。これまで、マイオカインを測定するには採血が必要でしたが、この研究ではそれを汗から非侵襲的に行う手法の確立が期待されています。

研究の背景



PAI-1(プラスミノーゲン活性化抑制因子-1)は、老化関連因子として知られています。この研究チームは、特にヒト線維芽細胞のアクチン細胞骨格の変化を調査し、63種類の老化関連遺伝子を特定しました。しかし、これらの因子がどのように汗中に移行するのかは明らかになっていません。

汗による疾病スクリーニングの可能性は指摘されているものの、その成分分析には技術的な課題が多く存在しています。特にマイオカインや老化因子の検出は非常に困難とされています。PITTANは独自の微量分子分析技術により、これまでは難しかった汗中の微量成分の高感度検出を行っています。

技術を駆使した新しいアプローチ



本研究では、PITTANの持つ分析技術と、大阪大学が有する3次元培養表皮モデルを組み合わせます。主にJ-TECのEPI-MODEL及びRevivo社のskin on chipモデルを使用して、老化関連因子の発現制御を行い、異なる老化段階の皮膚モデルを構築します。このモデルを使い、プロテオーム解析や免疫沈降実験を通じて、分泌物質の同定とそのメカニズムの解明を目指します。

さらに、温度変化や機械的刺激を与えることで炎症応答を解析し、ヒートショックタンパク質を活性化させる実験を行います。

期待される成果



本研究により、汗という非侵襲的な生体試料から老化状態や運動による健康増進効果を新しい手法で評価できる可能性が広がります。これにより、予防医療の新しいアプローチが創出されることが期待されています。

企業と大学の期待の声



PITTANのCEOである辻本和也氏は、「健康とは自分らしい生き方を実現する力だ」と述べ、この研究が多くの人々に健康について深く理解する機会を提供することを目指しています。

また、大阪大学の出口真次教授は、研究を通じて健康評価や予防医療の発展に貢献することを期待しています。

PITTANとは?



PITTANは革新的な非侵襲の汗中成分分析技術を持ち、健康状態をモニタリングするサービスを提供しています。家庭で簡単に行える分析サービスを展開しており、今後はより多くの人々に利用してもらえるよう努力を続けていくとのことです。

この研究が進展することで、私たちの健康管理がより簡便かつ効果的なることを期待しています。


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