介護現場の声を形にしたおしゃれな「ケアウェア」誕生秘話
介護服の常識を覆す、おしゃれで機能的な「ケアウェア」が最近話題を集めています。その生みの親は、滋賀県湖南市を拠点に活動するハート&アシストの代表、平木愛さん。彼女の経験や背景に迫ります。
介護服開発のきっかけ
平木さんは2001年から鍼灸マッサージ院を営んできました。しかし、2019年からは介護服の開発に取り組むことになりました。介護現場での施術を通して、高齢者や身体の不自由な方々から「おしゃれな介護服がない」という声を多く耳にしました。この声が彼女に何かをしなければならないという強い思いを植え付けました。
特に印象に残ったのは、認知症を抱える方の娘さんからの「こんな服があったらいいのに」という要望。この経験を機に、彼女は「実際に目の前の人のために、自分ができることを考えよう」と決意したのです。
介護服の試行錯誤
平木さんは完全に未経験の分野からスタートしましたが、地域の商工会に相談し、協力を得ることで一歩一歩前進していきました。特産品である「高島ちぢみ」を使った服作りは、多くの人々の助けを受けて実現しました。2020年には、画期的な介護服「La・フック®19×2」が完成。特許も取得したこのブラウスは、特に介護を受ける方に配慮したデザインとして評価されています。
「ケアウェア」の特長
この介護服の最大の特長は、機能性とデザイン性を両立させている点です。背中が曲がっている方でも安心して着られるよう、後ろ身頃が長めになっています。また、トイレ介助や移動の際も裾を上げやすい工夫が施されています。さらに、女性でも好感の持てるおしゃれさを追求しています。
購入者の心に響く反響
「La・フック」は発売から多くの興味を引き、多数のメディアに取り上げられることとなりました。平木さんはまた、介護服という名称に抵抗を感じる声に応じて「ケアウェア」と名付け、より広く受け入れられることを目指しています。この新しい名称には、着る人へ配慮しながらも、おしゃれさを大切にする姿勢が込められています。
平木さんの目指す未来
平木さんは、地域と医療・介護の専門職、企業が直接つながるプラットフォームを目指しています。介護現場の声を尊重し、ニーズを発信することで、必要とされる商品やサービスを提供し、より多くの人々に役立つ環境を築くことが彼女の夢です。これまでの道のりを振り返り、常に新たな挑戦へと向かう平木さん。ぜひ彼女の取り組みを応援しましょう。
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